内容説明
卒寿をむかえた現在も“出版芸術社”の経営に携わる著者の1946年講談社入社から始まった出版人生。国内ミステリー刊行のエピソードを中心に語る、知られざる「東都ミステリー」の謎を解く。
目次
第1部(前口上;『ロマンス』と『平凡』 ほか)
第2部(『講談倶楽部』から『小説現代』へ;『キング』最後の編集長 ほか)
第3部(審議室から東都書房へ;東都書房の出版 ほか)
第4部(教科書出版部へ;講談社と教科書 ほか)
著者等紹介
原田裕[ハラダユタカ]
1924年和歌山県生まれ。早稲田大学政経学部卒業。46年大日本雄弁会講談社入社、文芸課長・雑誌「キング」「日本」編集長・東都書房・教育出版局長などを経て東都書房、子会社(株)第一出版センター社長に就任、88年同社退任と共に(株)出版芸術社を創業し、現在は会長を務める。日本推理作家協会名誉会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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izw
12
講談社の原田という編集者が、戦後の探偵小説興隆に如何に関わったかがよく分かる。また山岡荘八の「徳川家康」も原田が編集に携わったという。90歳を超えているらしいが、まだまだ元気な様子、今後も活躍してほしい人物である。あと以前にも書いた気がするが、このシリーズは小田光雄が出版関係のキーパーソンにインタビューしていて、インタビューされる人が著者となっているのだが、小田との対談集であり、通常ならば小田との共著とされるような本だと思う。2014/12/28
保山ひャン
1
雑誌「ロマンス」「平凡」から「キング」「日本」編集、ロマンブックス、書き下し長編探偵小説全集、東都ミステリーを世に出した原田裕氏に聞く。新人時代の松本清張宅に年始の挨拶に行ったとき、感激して歓待されたとか、講談社と東都書房の関係とか、面白い話題がいっぱい。2018/07/18
poefan
1
やはり短編はうまいが長編はそれほどでもないという日影丈吉にまた注目。2015/05/06
よしだ まさし
1
原田裕『戦後の講談社と東都書房』論創社を読了。 1946年に講談社(当時は大日本雄弁会講談社)に入社し、ミステリー小説を中心にずっと出版事業に携わってこられた原田裕氏に対するインタビューをまとめた1冊。この人の足跡を辿ることで、編集者の立場から見た戦後の日本ミステリーの歴史を知ることができるという実に貴重な資料となっている。 雑誌「キング」の編集者としてスタートした氏は、次いで「講談倶楽部」に移り、そこで大勢の大衆小説作家の担当を経験し、探偵小説作家との交流も始まる。 「カッパ・ブックス」に始まる2015/01/30
poefan
1
貴重な記憶を掘り起こすシリーズの一冊。日影丈吉についての話に注目。2015/01/06