内容説明
名探偵・黄木陽平の事件簿、初集成!戦前本格派の掉尾を飾った作家。「日本探偵小説第三の隆盛期」(江戸川乱歩)に刊行した長編『幻想殺人事件』、65年ぶりの復刊。
著者等紹介
守友恒[モリトモヒサシ]
1903(明36)年、東京生まれ。本名・順造。歯科医師免許を取得後、開業。39(昭14)年、「青い服の男」が博文館の雑誌『名作』に掲載されてデビュー。1984(昭59)年、歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やっす
2
短編の中では、アンソロジーでも読んだ『青い服の男』がベストで、それ以上の作品には残念ながら出会えなかった。長編の『幻想殺人事件』は、トリックが機械的で頂けないとは思ったものの、最後の最後に見せ場があり、なるほどそうくるのかと感心しました。横溝正史の『本陣殺人事件』や角田喜久雄の『高木家の惨劇』と探偵作家クラブ賞を争った作品らしく、本格探偵小説の雰囲気を充分に味わえる佳品だとは思うが、さすがに正史や角田らの作品と比べるとちょっと落ちるかなというのが正直なところ。とはいえ、興味のある方は読んでみてもいいかも。2015/06/11