内容説明
未曾有の国難に立ち向かった宰相たちの苦悩と決断。幕末前夜から桜田門外の変まで、開国をめぐる三宰相の軌跡とその肖像を個性ゆたかに描き出す。
目次
序章 桜田襲撃
第1章 幕末前夜の阿部宰相(水越侯時代;人材登用の風 ほか)
第2章 阿部正弘の開国と堀田正睦の登場(蒙古以来の御大変;黒船余話 ほか)
第3章 井伊直弼の登場から暗殺前夜(南紀派の頭目として;将軍拝謁始末 ほか)
著者等紹介
脇坂昌宏[ワキサカマサヒロ]
山梨県生まれ。早稲田大学第一文学部史学科(日本史学専修)卒業。『葉隠』『堀部武庸筆記』などの意訳作業を通して、「武士とは何か?」の考察をライフワークとする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Stair512754
3
今年の大河ドラマ『青天を衝け』 幕末を徳川方から描く時は、新選組や勝海舟が主役になることが多いのだが、今回の大河の主役は渋沢栄一、そして一橋慶喜がきっと重要な役回りになるのだろうな そして1年という長丁場、昨年の『麒麟が来る』でも感じたが、話の展開が遅いわ(笑)そんな中、水戸斉昭や阿部正弘、そして次回からはいよいよ井伊直弼が登場! ということで、勉強がてら読んだこの本 思いのほか面白かった 薩摩、長州、土佐側からの知識しかなかったからなあ 今年の重点課題にしよっかな^_^;2021/04/03
おかポン
1
幕末において、開国に深く関わった宰相、阿部正弘・堀田正睦・井伊直弼を中心に当時の世情を記した一冊。一般に八方美人や地味などと言われている前者二人と、不平等条約の締結や安政の大獄で悪評高い後者ではあるが、彼らもまた当時の傑出した為政者であり、欧米列強に引けを取らない強国にすべく、幕府と朝廷、開国派と攘夷派の間で翻弄されながらも、自らの政治信念に則り世を主導した開明的な宰相であったことが分かる。2012/03/17