内容説明
バスガイドにモデルにバーテンダー、競馬記者に発明マニアに酒場の女、寿司屋に皮革屋に活版屋、看護婦、按摩、靴磨き…。昭和に生きた名もなき人々をひたと見つめる珠玉のルポ集。
目次
発車往来
待てば海路
当世菊人形
優しい酒場
鬼の目に涕
混血の空
明眸の禍
海底の月
吾嬬町界隈
魚河岸の猫
疲れ旅鴉
ピグミー長屋
真説焼竹論
真白に細き手
アポッスル
パン屋の青春
北海暮色
唐茄子や
著者等紹介
山口瞳[ヤマグチヒトミ]
1926(大正15)年、東京生まれ。麻布中学を卒業、第一早稲田高等学院に入学するも自然退学。その後、父の工場で旋盤工として働く。終戦後は複数の出版社に勤務。その間に國學院大學を卒業する。1958年に寿屋(現サントリー)に中途入社、「洋酒天国」の編集者として活躍する。同僚に開高健、柳原良平らがいた。62年『江分利満氏の優雅な生活』で直木賞を受賞、同作は64年に東宝で映画化された。95(平成7)年8月、肺がんのため逝去。享年六十八歳。63年から「週刊新潮」で開始した連載「男性自身」は、三十一年間一度も休載することなく一六一四回に及んだ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。