内容説明
「ヴァン・ダインの登場によってアメリカ探偵小説は一夜にして成年に達した」評論家ヘイクラフトをしてこう言わしめた往年の巨匠ヴァン・ダイン。日本人作家にも多大な影響を与えた彼の短編を世界で初めて一冊にまとめる。名探偵ファイロ・ヴァンスが語る犯罪実話九編に加え、評論「傑作探偵小説」の原型となった初邦訳の「探偵小説論」や本名であるライト名義の書誌データ等、詳しい資料を併録。
著者等紹介
ヴァン ダイン,S.S.[ヴァン ダイン,S.S.][Van Dine,S.S.]
1887~1939。本名ウィラード・ハンティントン・ライト。アメリカ、ヴァージニア州生まれ。「ロサンゼルス・タイムズ」紙の文芸欄担当、「スマート・セット」誌の編集長等を務めた後、1926年に『ベンスン殺人事件』でミステリ作家デビュー
小森健太朗[コモリケンタロウ]
1965年大阪生まれ。東京大学文学部卒、東京大学院教育学部博士課程修了。小説家、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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おか
59
「僧正殺人事件」で知られている探偵ファイロ・ヴァンスが 昔の事件を解説 解決する作品です。面白く無いわけでは無いが 9短編が まるで報告書の様相を呈しているので ちょっと、、、笑 やっぱり 短編でも 報告書ではなく 物語が読みたいかな(//∇//)2019/02/04
たち
32
ファイロ・ヴァンスの語る犯罪実話集です。百年も前の殺人事件なのでそう思うのか、私が変なのか、何と面白いことか。結局、犯人がよくわからないままの、フランツィスカ・プルシャ事件と、稀に見る才能の持ち主だった、グレーテ・バイヤー事件が特に面白かったです。2018/12/02
星落秋風五丈原
5
収録された短編は、全てフィクションではなく、十九世紀から二十世紀にかけて実際に起こった事件を元にしている。そして冒頭の二篇を除く七篇では、事件についてファイロ・ヴァンスが語る形式を取っている。時々のコメントなどによって彼の人柄は窺い知れるものの、「この事件はこういう解決を見たが、実はファイロ・ヴァンスの探り当てた真相はこうだった。」というような、探偵としての優位性を示すような箇所が見当たらない。時代特有の捜査手順を含む犯罪史の研究や、ルポルタージュのような形で事件を読みたい向きには、別に問題はないと思う。2007/10/14
ホームズ
5
期待して読んだけど・・・。実際の事件の記録も悪くは無いんだけどね・・・。2007/09/20
まとい
4
図書館にてヴァン・ダインを探したのだけれど、これしか見当たらなかったので…(笑)。裁く側に主観や偏見のある事件や、完全犯罪一歩手前の事件など、実際に起こった犯罪を知ることで、人や法の脆さ、危うさが伺い知れた。2012/04/25
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