内容説明
ロンドンのハーレー街にある診療所で医師の変死体が見つかった。死因はストリキニーネによる毒死。検死審問では、目撃者の証言と動機の不在から他殺でも自殺でもなく事故死の評決が下った。だが、何かが気になる。プリーストリー博士の書斎に集まるメンバーは捜査と推理を始めた。そして博士は事故でも自殺でも他殺でもない「第四の可能性」を示唆するのだった…。意外な真相が待ち受ける、本格派の巨匠ジョン・ロードによる最高傑作。ついに邦訳なる。
著者等紹介
ロード,ジョン[ロード,ジョン][Rhode,John]
1884~1964。本名セシル・ジョン・チャールズ・ストリート。元陸軍少佐。出生地などの詳細は不明。スリラー作品A.S.F.(1924)でミステリ作家デビュー。翌年のThe Poddington Mystery以降、プリーストリー博士シリーズを多数発表。他にマイルズ・バートン、セシル・ウェイ名義でも作品を著しており、生涯での作品数は147作に上る。英国ディテクション・クラブの主要メンバーでもあった
加藤由紀[カトウユウキ]
立教大学文学部英米文学科卒。神奈川出身。インターカレッジ札幌等で翻訳を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カーゾン
9
M:ジョン・ロードの作品の中では割と面白かった方ではないかな。(邦訳ある中では「代診医の死」が個人的に最上位) 解決時の医学的な説明は読者の多くは「はぁそうですか?」で終わらざるを得ない。中盤淡々と続く討論会は小生は決して嫌いではないぞ。自殺でも他殺でも事故死でもない第4の可能性云々と言っても、先の3つのどこかに当て嵌められるんじゃね? (追伸)論創社の中の人は安易に”〇〇氏の最高傑作”と謳うのはやめーや。2021/03/13
綾なす落書き
7
モーズリーという医師がストリキニーネを自分で注射して死亡する事件が起きた。審査諮問では既に事故だ、と論結された。しかし、医師であるオールドランドはそれが単純な事故であるとは信じられないという。医師が普段使う薬を間違うはずもないし、自殺とすればもっと楽に死ねる薬がいくつもある、というのだ。では、殺人か、自殺か、事故か。その疑問に探偵役であるプリーストリー博士は、第四の選択肢があるのではないか、という。以下感想。良くも悪くも昔らしいミステリ。博士の言う第四の可能性、という着眼点が面白い。2015/01/01
ホームズ
6
再読。やはり被害者が自らストリキニーネを注射して死んだという謎の解答は面白いですね(笑)プリストーリー博士の「第4の選択肢」というのは少し微妙な表現ではありますが(笑)謎の部分は楽しめるんですが全体としては地味な印象(笑)探偵役のプリストーリー博士が地味な感じで(笑)何となくフェル博士やツイスト博士をイメージしてしまったからかな~(笑)2011/03/03
ホームズ
3
プリストーリー博士シリーズ。 自らストリキニーネを注射して死んだ医師の謎。納得のトリックでした(笑) もう少し工夫があっても良かったかな(笑)2008/02/20
よだみな
1
自殺でも他殺でも事故でもなく第四の死因。著書の最高傑作の誉れ高い本だそうで。うん、読んだ人と語りたいものだ。第四の定義について。2016/07/21