内容説明
「王の座を欲しくないか、おまえの命と引き替えに」突然現れた森の魔物「オボロ」の声が、その男の運命を変えた。三人のオボロたちに導かれ、ライは王への道を歩む。その赤い舌が生み出す言葉と魔物にもらったオボロの剣によって、「俺が、俺に殺される時」まで。
著者等紹介
中島かずき[ナカシマカズキ]
1959年、福岡県生まれ。舞台の脚本を中心に活動。85年4月『炎のハイパーステップ』より座付作家として「劇団 新感線」に参加。以来、『スサノオ』『髑髏城の七人』『阿修羅城の瞳』など、“いのうえ歌舞伎”と呼ばれる物語性を重視した脚本を多く生み出す。『アテルイ』で2002年朝日舞台芸術賞・秋元松代賞と第47回岸田國士戯曲賞を受賞。近作にオリジナルロックミュージカルとして書き下ろした『SHIROH』、隆慶一郎の小説を原作に戯曲化した『吉原御免状』がある。また最近では、漫画原作をはじめ、アニメの脚本も手がけるなど、演劇以外のジャンルでも活躍している。小説家としても自らの戯曲『髑髏城の七人』(2004年マガジンハウス刊)を小説として書き下ろした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふじ
5
昔ゲキシネで観たのがとても面白かったので、内容をおさらいするために。市川染五郎が凄絶に色っぽい「悪」を演じていたのが今も印象的。DVDも出てるけど、またスクリーンで、できれば生舞台で観てみたいなあ。2019/01/22
まりも
2
ゲキシネで始めて見たときに、市川染五郎の迫力に度肝を抜かれたことを思い出しました。戯曲なので、アドリブであったり、あとで追加された台詞であったりが思い出されて、より深く楽しめました。一度は映像で見るべきですね。できれば、舞台で直接。2016/09/22
沙弥
1
酒呑童子×リチャード3世。究極の悪と銘打たれたピカレスクロマン。隠しておきたい人間の「負」の部分を、舌先三寸で表層に引き摺り出し、人間関係を絡ませ拗らせ、貶めて、遂には死に至らしめるライは、本当に厭な奴の筈なのになんでこんなに魅力的なのか。己で己を殺した時、破滅は確かにやって来たけど、それは人たらしめた弟分の存在だったのが切ない。割と読みやすく、サクサクっと読み進められた。こちらはまだ舞台は観てないのだが、染様の悪漢、色気満載だろうなぁ。2021/07/09
楸
0
あぁ、だからライなのか。2011/09/17
高里奏
0
戯曲とは思えないほど読みやすい。