内容説明
難解な言葉遊びとイギリス人画家との新生アリスの競演!80枚画下ろし挿絵。完全新訳。
著者等紹介
キャロル,ルイス[キャロル,ルイス][Carroll,Lewis]
1832‐98。イギリスの作家。チェシャー州の牧師の家に生まれ、オックスフォード大学クライスト・チャーチ学寮に学び、卒業後、同大学の数学講師となる。『不思議の国のアリス』(1865)、『鏡の国のアリス』(1872)の作者として最もよく知られているが、本来の数学者・論理学者としての、また最初期のアマチュア写真家としての功績も高く評価されている
楠本君恵[クスモトキミエ]
山梨大学卒。早稲田大学文学部文学研究科修士課程修了。現在、法政大学教授
パートリッジ,ブライアン[パートリッジ,ブライアン][Partridge,Brian]
1953年、英国グロスター州で生まれる。16歳で学校教育を終え、以後は独学で文学・絵画について学ぶ。1995年、ヨークに移り、以来そこに活動の拠点を置く。1976年に子供のころから画き慣れているペン画で才能を認められ、1988年からは画家・イラストレーターとして一本立ちした。現在は英国ルイス・キャロル協会に所属し、1990年に始まったジュニア向けの同協会誌『ドードー・クラブ』の表紙を分担している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ヴェネツィア
63
『アリス・オンパレード』第13弾。縦19.5cm,横12.5cmの変形サイズ。訳者は楠本君恵。『翻訳の国のアリス』などの研究書も上梓している。したがって、ここでも「言葉遊び」には工夫がなされている。ただし、「尾話」(おはなし)などはともかく、ルビはきわめて少ない上に語彙もかならずしも子ども向きには選ばれていない。読者層のターゲットがやや不明か。挿絵は細密ペン書き(表紙以外はモノクローム)のブライアン・パートリッジ。絵は他のアリスに比して多い。訳者が惚れこんだようだが、私にはこの人の描くアリスはあまり…。2013/09/09
おりん
22
世界初の、教訓を省いて本を読む子供を楽しませるために書かれた児童文学。というわけで、児童文学を語る上では欠かせない、歴史的に見て重要な一作。ナンセンスな一節があちこちに顔を出し、読んでいてなんだそりゃ、と笑ってしまう所が多々ある。当時子供達が暗唱させられていた教訓めいた詩をパロディ化して作中に多数登場させてるらしく、元ネタがわかればもっと楽しめるようだ。あと、英単語を知っていれば理解できる言葉遊びも豊富に散りばめられているらしい。2017/09/13
なっちゃん
13
挿入画がとてもよかった。なんとも怪しげでどこか不気味で。私が知ってたアリスのイメージが変わりそうなくらいインパクトがありました。訳によって印象は変わるみたいなので原作を、読んでみたいです。2017/01/14
きょん
6
子供の頃に童話を読んだはずだが、今回全く新鮮な気持ちで読んだ。不思議でシュール、甘くない童話という印象。とても面白かった!挿し絵もとても素晴らしい。2021/03/08
nekonekoaki
3
何度目かのアリス。今回は今江祥智さんの「いないいないばあ」を知り、ふとチェシャネコに会いたくなったので。訳は楠本君恵さん。挿絵はブライアン・パートリッジさんから、使いたいだけ、たくさん使ってよい、と惜し気もなく提供していただいたとのことで、ページをめくるのが更に楽しみになりました。ペン画で描かれた独特のタッチは、新たなアリスとの出会いです。そして、チェシャネコがニヤッと笑って、うっすら消えていくときのちょっぴりズルそうな顔がイイです。2021/04/18