内容説明
マリーナ・アブラモヴィッチ、ヨーゼフ・ボイス、ジョン・ケージ、シュリンゲンジーフ、ヘルマン・ニッチュなど数々の作家と作品から、その背後に潜む理論を浮かび上がらせる。
目次
第1章 パフォーマンスの美学の必要性
第2章 概念について
第3章 俳優と観客の身体の共在
第4章 素材性のパフォーマンス的産出
第5章 意味の創発
第6章 出来事としての上演
第7章 世界の再魔術化
著者等紹介
フィッシャー=リヒテ,エリカ[フィッシャーリヒテ,エリカ][Fischer‐Lichte,Erika]
1943年、ハンブルク生まれ。ベルリン自由大学人文学部演劇学科主任教授。2002年からはドイツ学術振興会の特別研究チーム「パフォーマンスの諸文化―中世、初期近代、現代におけるパフォーマンス的転回」の座長を務め、08年にはベルリン自由大学にパフォーマンス・カルチャーの国際的な研究センターを立ち上げている
中島裕昭[ナカジマヒロアキ]
1957年生。東京学芸大学演劇分野教授、表現コミュニケーション専攻、表現教育コース担当
平田栄一朗[ヒラタエイイチロウ]
1969年生。慶應義塾大学准教授
寺尾格[テラオイタル]
1951年生。専修大学教員
三輪玲子[ミワレイコ]
1964年生。上智大学文学部ドイツ文学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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澄川石狩掾
2
上演とは、観客と俳優の、「オートポイエーシス的フィードバック循環」(分かりにくい単語だが)によって成り立つという。理屈としては理解できるし、非常に面白いとは思う。しかし、中々そのような上演にお目にかかることが少ないので、気持ちとしては腑に落ちない。個々人の上演の体験によって変わるのだろうと思う。2018/10/18
gorgeanalogue
1
必要な部分のみ拾い読みしていたものを通読。ヨーロッパの演劇史論としての側面は、正直なところあまり関心が持てないし、パフォーマンスを称揚するあまりやや強引なところも目につくが、結局のところパフォーマンス美学は、制度化された芸術概念を侵犯しゆさぶりをかける、生そのものであることが末尾で宣言されて、納得する。さまざまな価値観・二項対立がフィードバックの循環の中で、次々に交代する、という指摘も面白い。再魔術化とかいうんだから、人類学的な視点がもっと強調されていいと思うが、あえて使っていなんだろう。2017/10/23
メルセ・ひすい
1
パフォーマンスの歴史を解説しながら具体的に人命を上げ理解をうながしている。 学術的に高度かつ専門的な書2009/12/23
ほまれ
0
フィードバック循環によるオートポイエーシス。シンボルとアレゴリーの間の揺らぎ。境界領域経験による変容。演劇への見方が変わった。2017/10/09
MaRuTaTSu
0
一年前に読んだときよりかは多少理解できた気はするが...いずれにせよ難しい。2013/06/21
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- 和書
- 日本国史学 〈第19号〉