内容説明
本書は先に刊行した『新映画理論集成〈1〉』に続くものであるが、収録論文の多くは1960年代末から70年代にかけて発表されており、時代的にはむしろ、〈1〉に先行する問題意識を抱えたアンソロジーである。したがって、本書は時代的にも内容的にも『映画理論集成』の後に続き、〈1〉へと展開する重要な結節点に位置している。しかも〈1〉に収録された論文の多くがアメリカにおける映画研究の動向を強く反映しているとすれば、〈2〉ではフランスにおける映画研究の動向を強く反映しつつ、英米へ影響を与えた画期的な論文も含まれている。
目次
想像と制度(縫合;技術とイデオロギー―カメラ、遠近法、ディープ・フォーカス ほか)
物語と空間(物語の空間;古典的ハリウッド映画―語りの原理と手順)
テクスト分析(断片のシステム;ジョン・フォードの『若き日のリンカーン』)
視覚と聴覚(映画における声―身体と空間の分節;視点)