出版社内容情報
私たちはどこに棲むのか?
「失われた30年」の日本でさまざまに取り組まれてきた住まいをめぐる試行──この間の住宅を、建築家の作品という表現の問題、家族のかたちや生産技術、災害など社会や環境との関係の両面から捉える決定版。混迷の時代の住宅像から、これからの住まいのあり方を考える。
戦後の住宅供給や居住環境の向上、建築家による生の表現としての家といった住宅を取り巻く課題が一段落した後の「平成」の30年間は、「住宅とはそもそも何か」という自問自答に対し批評性のある回答がさまざまに生み出されたいっぽうで、バブル崩壊に始まり震災をはじめとする天災、伝統的家族像の崩壊、着工数の減少、空き家の増加など、住宅をめぐる困難につぎつぎと直面し、またリノベーションやシェアが市民権を得るなどの変化もあった。本書では住宅をめぐる30年の苦闘の末に、新たな住まいの思想を見出すことを試みる。誰しもの生活に不可欠な「住む」という営みについて、多角的に考えるヒントに満ちた一冊。
1989?2019年の住居50選をカラー掲載するほか、注目の建築家、研究者による論考を多数収録。
内容説明
私たちはどこに棲むのか?「失われた30年」の日本でさまざまに取り組まれてきた住居をめぐる試行から、誰しもの生に不可欠な「住む」という営みについて考える―
目次
1 総論(失われた終の棲家―私たちはどこに棲むのか?)
2 1989‐2019の住居50選
3 現代住居論考(集住―家族と社会;テクノロジー―供給と生産;建築家―作品と表現)
年表 日本の住居1989‐
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaz
0
図版を中心に飛ばし読み。個性的な家も楽しそう。図書館の内容紹介は『「失われた30年」の日本で、さまざまに取り組まれてきた住居をめぐる試行から、誰しもの生に不可欠な「住む」という営みについて考える。1989年以降の日本の住居についての年表も収録』。 2024/08/22
Teo
0
前後のパートで色々語られるが、素人から見ると各論の方が面白い。一応全部読んだけど、前後パートはまあそうだよねと思う一方で、各論は「へー、こんなのがねえ」と言う部分が面白かったので、そこだけもっと掘り下げた内容が欲しかった。2024/08/05
インテリ金ちゃん
0
平成30年間の住宅界隈の各種話題をいろいろな視点で眺めることができた。阪神淡路・東日本大震災絡みの耐震基準見直しや仮設住宅、空き家問題、エコハウス、貧困、一人暮らし等々。「建てること、住むこと」について考えさせられることが多かった。2024/07/17