内容説明
デザイン界の歴史と文化を振り返り、直観・創意・問題解決能力に根ざした現代の柔軟なメディアとして、デザインのラディカルな変貌を描く。
目次
姿勢としてのデザイン
姿勢としてのデザインとは
デザインとアートの違い
甦るクラフト
モノの進化と淘汰
バック・トゥ・ザ・フューチャー
デザイン界はいまだに(シス)男社会か
デザインにおける「色」の問題
祭典の楽しみ
選択の自由
制御不能
好ましいデザイン
最悪の事態が起こったとき
著者等紹介
ローソーン,アリス[ローソーン,アリス] [Rawsthorn,Alice]
デザイン評論家。イギリス、マンチェスター生まれ、ロンドン在住。TED、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)などの国際的イベントでデザインについて講演する。ロンドンのチセンヘール・ギャラリー、現代バレエ団マイケル・クラーク・カンパニー、ヨークシャーのヘプワース・ウェイクフィールド・ギャラリーの理事会議長を務める。デザインおよびアートに尽力した功績が認められ、大英帝国勲章を受章している
石原薫[イシハラカオル]
翻訳家。国内メーカー、米系デザイン会社勤務を経て、書籍の翻訳や企業向けの翻訳に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hayata_yamamoto
5
デザインすることは職業ではなく姿勢である。という大きなテーマに関して、世界中のデザイナーが解決の難しい課題にどのように挑んできたかをまとめたもの。書籍自体は、各チャプターでテーマが区切られており、分割して読めるような体裁となっている。私自身、分析や検証を行う際にはデザイン的な考え方をよく流用させてもらっているし、実体験としてもデザインという抽象的な概念をどの職業でも使えて損しないと考えている。関わる人たちの姿勢が一緒であれば、変革はより起こりやすくなるし、世界は大きく変わっていくよなあと感じた2021/01/01
yutaro
2
1年ぶりぐらいに再読。1年かけて「デザインとは?」を自分なりに定義し直し、ベースがあったからこそスラスラ読むことができたように思う。(佐藤卓氏の『塑する思考』はこういったデザイン本を読む上での比較となるので本当にありがたかった) 将来のデザイン像を想起させてくれる本書、なかなか楽しい。デザインの歴史はまだまだ知識不足でデザイン=男社会とか全然知らなかったし。 情報の次は選択、、そしてデザインをより身近な人たちにレクチャーするという職業(インテリアコーディネーターみたいな存在になるのかな?)が普及する。。。2020/12/26
yutaro
2
図書館にて借りてきて読了。興味を持って、集中して読むことができた。 各国のデザイナーの事例が多く入っており勉強になる。過去の話だろうが、デザイン業界の性差別って結構あったのね…。女はテキスタイルが当たり前、建築は男の仕事、みたいな。その認識自体をデザインしていかなければいけないと思った。今後、人が抱えるジェンダーや心の問題は表面化し、議論が活発になってゆくはず。デザインは、こうした人が自分らしく生きられる社会を作っていける。2020/03/23
かとたか
1
デザインという言葉にかける期待がとても高く、また、誰にでも身近なものでもある、そのような内容と思えた。人のニーズは多様化傾向にあるので、あらゆる人が自分の生き方を通して、何かをデザインしていくという姿勢が求められる。デザイナーは多様なら多様なほど良い。2021/05/04
doji
0
「HELLO WORLD」でも思ったけれど、著者のさまざまな領域におけるデザインを俯瞰する視点と、そこに横たわる課題や問題意識を的確な文章で記す能力はほんとうにすごいなと思う。本書の場合は、冒頭にモホリナギによる「姿勢としてのデザイン」という観点を示すことによって、さまざまなデザインの当事者や現場における、動詞として実行されるデザインよりも、そこにどのような姿勢、態度、アティチュードがあるのかについて自然と考えをめぐらせられる。教科書としてもすごいいいテキストばかり。2021/02/11
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- 和書
- 水の迷宮