内容説明
男性が変われば世界全体をより良い場所にできるはず。ターナー賞アーティストであり異性装者(トランスヴェスタイト)としても知られるグレイソン・ペリーが、新しい時代のジェンダーとしなやかな男性のあり方を模索する―。
目次
序 壊れてないなら直すなよ
1 魚に水のことを聞く
2 男性省
3 ノスタルジックマン
4 客観主義という殻
結 男たちよ、自分の権利のために腰を下ろせ
著者等紹介
ペリー,グレイソン[ペリー,グレイソン] [Perry,Grayson]
1960年イギリス生まれ。男性。さまざまな賞を受賞しているアーティスト(2003年にはターナ賞を受賞、大英博物館やサーペンタイン・ギャラリーをはじめ、日本でも2007年に金沢21世紀美術館で個展を開催。現代社会を風刺した、陶芸やタペストリー、彫刻、版画といったメディアの現代アート作品で知られる)。英国アカデミー賞受賞テレビ番組の司会者。リース・レクチャーの講師。ベストセラー作家(著書に『Playing to the Gallery』など)
小磯洋光[コイソヒロミツ]
1979年東京都生まれ。翻訳家。イースト・アングリア大学大学院で文芸翻訳を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
R
41
男らしさという前時代的な価値観の滅びと、それにより困るであろう人々、世界を哀れむでもないが、語った本でした。ステレオタイプな男らしさというもの、その価値観というのがそういう人たちが作ったものであり、またそれを目指すことで窮屈な生き方になっている男の多さ、泣かされる女の多さ、それは世界のゆがみではないかと思わされる内容でした。世界が多様性という価値観を見出して、古臭いそれこれは滅びていくであろう、その哀惜も見えるようでありました。2020/05/26
マリリン
34
ジェンダーを男性の別視点から書かれているのが面白い。性差別を感じているのは男性も然りだとは意外だったが当然かも。 「4.客観主義という殻」の《性衝動とジェンダーにおける力関係》は、女性では理解できない部分もある。 著者が挙げる男性の権利=傷つく・弱くなる・間違える・直感で動く・わからないと言える・気まぐれでいい・柔軟でいる・これらを恥ずかしがらない... ふと思った、男性が訳もなく激怒する背景には刷り込まれた「男性性」があるのか...と。本書は2019年発行。「男性性」はあまり意識していないが男性は如何。2020/09/21
shikashika555
33
むむ。お国柄の違いは文化の違い。 楽しみにしてたけど、自分が目にする現実とは随分違う実例が多く、イマイチ乗り切れずに読了。2020/06/19
nbhd
18
著者がいう「デフォルトマン」というのは、ややっこしい男だ(定義的には白人・ミドルクラス・異性愛者を指す)。まず自分に疑問を持たず、オレがスタンダート。しかも「男らしくあれ」と言っちゃう古い男性と違い、ある程度わきまえているから、よりややっこしい。思うに、LGBTとかの話にふれて「俺、そういうのわかってるから」って言うような(妄想だけど、筋トレしてそうだ)。でさらに、ややっこしいのが「デフォルトマンの内面化」。デフォルトマンの周辺の人が「あの人は正しい」として、ひるがえって自己嫌悪に陥る展開。人間って複雑。2021/01/21
ともも
11
とんでもない熱量でこれでもかというくらい「男性性」をこき下ろした内容だった(•ᴗ•; )常々、男性による無自覚な上から目線発言に腹を立てている私ですら、100%頷くことは出来なかった。その理由は「白人中年男性」が支配していない日本社会がイギリスよりまだマシだからなのか、日本が(私が?)ジェンダー平等意識に遅れているからなのか?10年後にもう一回読んで見ようと思う。それにしても皮肉たっぷりのイギリス英語をいかにも直訳している感じがとっても読みづらい。もう少し優しい日本語でお願いしたい。2024/06/09