内容説明
伝えること、読むこと、書くこと、広めること、残すこと。「本」がおしえてくれる、大切な「本」の物語。
目次
だれが文字を発明したのか
粘土板で伝えよう
カエルを送る
アルファベットへの道
ABCをひねったら
岩(Rock)から巻物(Roll)へ
パピルスという冒険時代
羊の登場
羽根で言葉が広まった
わたしの文字が輝く
背表紙ができるまで
ぼろ布から紙へ
グーテンベルクの活版印刷機
印刷の黄金期
蒸気機関とともに
ポケットのなかの庭
記憶の家
多くの人々の手に
焼かれたときの話
電子書籍
著者等紹介
アガード,ジョン[アガード,ジョン] [Agard,John]
詩人、劇作家、児童書作家。ガイアナに生まれ、ラジオでクリケットの実況放送を聞くうちに言葉への愛が芽生え、育った。2012年、Queen’s Gold Medal for Poetryを受賞
パッカー,ニール[パッカー,ニール] [Packer,Neil]
イングランドのコルチェスター美術学校を卒業し、広告会社で働いた後、Folio Societyの『百年の孤独』、『薔薇の名前』、『ラビリンス』などのイラストを担当
金原瑞人[カネハラミズヒト]
1954年、岡山市生まれ。法政大学社会学部教授。翻訳家。英米の古典からヤングアダルト、ノンフィクションまで、幅広い翻訳を手がける。著書も多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
88
本を主人公にした、デザインのいい洒落の効いた本です。本の前に息があり、シュメール人が文字を発明し、本の先祖は粘土板だった。もしかしたらその前に岩に描かれた動物の壁画も本の祖先だったのかも。パピルスは植物から、象牙は動物の骨、羊皮紙は動物の皮膚から本は作られて来た。燃やされたり禁じられたりもしてきて、現在はデジタルになったが、紙の本はまだまだ引退する気はないようです。歴史の変遷から本にまつわる英単語の起源も知ることができました。本がどんな形や言葉に変わろうとも、本への愛情はこれからも持ち続けることでしょう。2021/10/02
naoっぴ
80
これいいなぁ。「本」が語る自分史!粘土板から始まり、パピルス、羊皮紙へと変化していく本。文字は楔形文字から次第にアルファベットの形へ。例えばbookやpaper、leafなどの言葉の由来。知っているようで知らなかった本の知識、面白いですね。時折はさまれる引用文と本からの感謝の言葉に心和みます。“読者のみなさん、わたしを読んでくれてありがとう” ええ、これからもずっと読みますとも♫2018/06/30
アルピニア
66
読友さんのレビューで知り、手にとった。本自身が語る本の成り立ちのお話。字が生まれる前の口伝えから始まり、文字の誕生、そして粘土板、紙の発明と印刷技術、さらに電子書籍まで。挿絵や引用されている言葉も楽しい。最後の電子書籍とのやりとりや紙の本のつぶやきを読むと、本の未来はそれほど悲観的でもないかもしれないと思った。150ページ弱で楽しく本の秘密(というのはちょっと言いすぎかも・・)がわかります!本の好きな人なら、ぜひ手に取って見て欲しい一冊です!2018/03/10
fwhd8325
64
この作品は、文月さんのツイッターで紹介されていました。書店で見たとき、なんて素敵な「本」なのだろうと思いました。読み進むうちに、読書を好きで良かったと思いました。そして、物語だけではなく、「本」というひとつの作品が持つ魅力を強く感じました。美しい本です。大切にしたいです。読み進むと、シベリアの長老の言葉に出会います。それは、「もし、木を知らなかったら、森で迷ってしまうだろう。物語を知らなかったら、人生で迷ってしまうだろう。」です。本は、人生の伴侶なのでしょう。2018/06/21
星落秋風五丈原
61
『はじめに神が言った。「光あれ」すると光が出来た。』 有名な聖書の一節だ。しかし本は神に言われて出来たわけではない。人間が創ったのだ。そもそも本は「本」という形ですらなかった。粘土板、羊の皮、パピルス。ペンの登場する前はドラマに出て来る羽根ペン。やがて印刷技術の発展により、本は多くの人の手元に渡った。私達のよく知る本は、今も進化を続け、とうとう手のひらサイズの電子書籍になった。様々な時代、形態を経て来たにも関わらず、語り手は単体だ。ラストに登場する電子書籍のみ「自分とは違う存在」と看做している。2017/12/15
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