WindowScape〈3〉窓の仕事学

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  • サイズ A5判/ページ数 288p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784845916115
  • NDC分類 524.89
  • Cコード C0052

出版社内容情報

働くのは人だけではない
自然とともに窓も働く。

ものを照らす光、干す風、加工する熱、燻す煙、蒸す湯気──窓がつなぐ、自然要素と人のふるまい、物質のふるまい。



窓のまわりには、光や風なと?の自然のふるまい、そこに寄り添う人間のふるまいか?集中する。そうした仮説のもと世界各地の窓を調査し、気候風土と 文化慣習の均衡した窓のあり方を明らかにした『WindowScape』シリーズ。

第三弾の本書では、日本の手仕事の現場における、もの、人、自然、街を相互に連関させる「働く窓」について調査しました。

大量生産・大量消費型の産業社会が限界を見せ始めたなか、自立自存の暮らしを求める人々はますます増えています。このようなエコロシ?カルな社会の到来により、手仕事によるものづくりや、人と人のつながり方も改めて見直されている今、それを支え、人々とともに働く名脇役のような窓のあり方を考察しています。

たとえば、手仕事の工房では、光、風、熱、湿気など自然の要素と職人の技術を窓が結びつけ窓も資源の一つとなります。商店や住まいでは、窓を通じて街と人が関係をはぐくむ過程や、街に活気や賑わいを与えていることがうかがえます。窓があることで、様々な自然要素のふるまい、人のふるまいの潜在的にもっている可能性が開かれるのです。そして、様々な要素がうまく連関しあうことがまさに「仕事」なのです。

このように地域ごとに特色ある手法や独自の価値観をもつ現場における、人、もの、技術の関係性を日本各地の窓からみていく本書は、建築関係者はもちろん、伝統産業やものづくり、民藝や、各地方の暮らしに興味を持つ方にとってもお勧めの1冊です。

序文
研究の目的と方法
調査地と仕事
調査方法
窓の相互連関図

一章 ものづくりの窓
濱田庄司記念益子参考館 細工所 [益子焼 ? ましこやき]
袖師窯 [袖師焼 ? そでしやき]
龍門司焼企業組合 窯元 [龍門司焼 ? りゅうもんじやき]
読谷村やちむんの里 北窯 [読谷山焼 ?よみたんざんやき ]
源右衛門窯 [有田焼 ?ありたやき ]
柿右衛門窯 [有田焼 ?ありたやき ]
大崎漆器店 作業場 [輪島塗 ? わじまぬり]
大崎漆器店 通り土間 [輪島塗 ? わじまぬり]
鈴木盛久工房 [南部鉄器 ?なんぶてっき]
佐助 [堺刃物 ?さかいはもの]
近藤製作所 [鍬 ?くわ]
東日本金属 [建築金物 ?けんちくかなもの]
武知家 藍あいねどこ寝床 [すくも藍 ? すくもあい]
日下田紺屋 [藍染 ? あいぞめ]
森山絣工房 [藍染 ? あいぞめ]
加賀友禅染色団地 [加賀友禅 ? かがゆうぜん]
共和染色工業 [京友禅 ? きょうゆうぜん]
近藤染工場 [大漁旗 ? たいりょうばた]
武藤染工株式会社 [浜松注染 ? はままつちゅうぜん]
丸源毛織 [尾州織物 ? びしゅうおりもの]
山形緞通 [手織絨毯 ? ておりじゅうたん]
旧杉原家住宅 [生糸 ? きいと]
旧常田館製糸場 5階繭倉庫 [生糸 ? きいと]
愛媛蚕種 [生糸 ? きいと]
高山社跡 [生糸 ? きいと]
出雲民芸紙工房 紙漉き場 [出雲和紙 ? いずもわし]
出雲民芸紙工房 乾燥室 [出雲和紙 ? いずもわし]
松井線香製造店 [線香 ? せんこう]
淡路梅薫堂 [線香 ? せんこう]
北海道開拓の村 旧広瀬写真館 [写真 ? しゃしん]
松本伸弦楽器工房 [弦楽器 ? げんがっき]
アトリエ創藝館 [提灯 ・傘 ・木札 ? ちょうちん・かさ・きふだ]
新光時計店 [時計 ? とけい]
スミダドライクリーニング [クリーニング ? くりーにんぐ]
■ column 01 [天気とものづくり]

二章 食品加工 の 窓
畑地区の柿乾燥小屋 [干柿 ? ほしがき]
林農園マスカット温室 [マスカット ? ますかっと]
沖縄海塩研究所 採かんタワー [塩 ? しお]
沖縄海塩研究所 釜炊き小屋 [塩 ? しお]
沖縄海塩研究所 天日干し小屋 [塩 ? しお]
天草塩の会 [塩 ? しお]
復元塩田釜屋 [塩 ? しお]
竹内商店 [鰹節 ? かつおぶし]
雄勝野きむらや [いぶりがっこ ? いぶりがっこ]
味匠喜っ川 [鮭の酒びたし ? さけのさかびたし]
南保留太郎商店 [魚介の燻製 ? ぎょかいのくんせい]
湯波半 [湯葉 ? ゆば]
高木糀商店 [糀 ? こうじ]
薩摩酒造 明治蔵 [芋焼酎 ? いもじょうちゅう]
ニッカウヰスキー キルン塔 [ウヰスキー ? ういすきー]
旧京都府茶業会館 [宇治茶 ? うじちゃ]
矢部屋 許斐本家 [八女茶 ? やめちゃ]
ツルヤ餅菓子舗 [餅 ? もち]
札幌農学校第2農場 穀物庫 [デントコーン ? でんとこーん]
■ column 02 [水の状態変化を利用した食品加工のための窓]

三章 商いの窓
竹苞書楼 [古書 ? こしょ]
澤村船具店 [船具 ? せんぐ]
小西萬金丹 [薬 ? くすり]
ゑびす屋 [竹細工 ? たけざいく]
武工房 [竹細工 ? たけざいく]
久保田美簾堂 [すだれ ? すだれ]
肉のムラヤマ [精肉 ? せいにく]
稲毛屋 [焼鳥 ? やきとり]
ますだ [鰻 ? うなぎ]
中野屋 [惣菜 ? そうざい]
三葉商店 [惣菜 ? そうざい]
北海道開拓の村 旧島歌郵便局 [郵便 ? ゆうびん]
■ column 03 [その人となりが投影される窓]

四章 越境の窓
上京町の会所(大津祭) [大津祭 ? おおつまつり]
西田礼三邸(日野祭) [日野祭 ? ひのまつり]
民宿 泉屋(アンガマ) [アンガマ ? あんがま]
多度大社(上げ馬神事) [上げ馬神事 ? あげうましんじ]
北星学園大学弓道場・北海道大学弓道場 [弓道 ? きゅうどう]
八紘学園 農業専門学校 牛舎 [畜産 ? ちくさん]
中島牧場 [畜産 ? ちくさん]
ブリーダーズ・スタリオン・ステーション厩舎 [畜産 ? ちくさん]
伏木北前船伏木北前船資料館 [望楼 ? ぼうろう]
銀鱗荘 [望楼 ? ぼうろう]
道後温泉 本館 [太鼓 ? たいこ]
行勧寺 庫くり裏 [太鼓 ? たいこ]
子規堂 [書斎 ? しょさい]
丁子屋 [問屋 ? とんや]
■ column 04 [まちを舞台にした祭の窓]

まとめ
ご協力頂いた方々・参考文献
調査地域・調査メンバー


東京工業大学 塚本由晴研究室[トウキョウコウギョウダイガクツカモトヨシハルケンキュウシツ]
アトリエ・ワンを貝島桃代と共同主催する塚本由晴は、『ヘ?ット・アーキテクチャー・カ?イト?フ?ック』『メイト?・イン・トーキョー』なと?のリサーチをまとめた著作、『ミニハウス』、『アニハウス』、『カ?エ・ハウス』、『ハウス&アトリエ・ワン』、『みやしたこうえん』、『北本西口駅前広場』、『EEI』、『BMWGuggenheim』Lab、『恋する豚研究所』といった数々の建築作品、国内外のアート・インスタレーションなと?、多彩な活動を行う建築家て?ある。教鞭を執る東京工業大学て?は、建築設計、学術論文、都市リサーチなと?の幅広い教育研究活動を行っており、本書『WindowScape3 窓の仕事学』、既刊の『WindowScape 窓のふるまい学』、『WindowScape2 窓と街並の系譜学』は、研究室の学生とともに世界各地を訪れ調査した成果をまとめたものて?ある。

内容説明

働くのは人だけではない。自然とともに窓も働く。ものを照らす光、干す風、加工する熱、燻す煙、蒸す湯気―窓がつなぐ、自然要素と人のふるまい、物質のふるまい。日本の手仕事の現場における、もの、人、自然、街を相互に連関させる窓のあり方を捉える。

目次

1章 ものづくりの窓(濱田庄司記念益子参考館細工所(益子焼)
袖師窯(袖師焼) ほか)
2章 食品加工の窓(畑地区の柿乾燥小屋(干柿)
林農園マスカット温室(マスカット) ほか)
3章 商いの窓(竹苞書楼(古書)
澤村船具店(船具) ほか)
4章 越境の窓(上京町の会所(大津祭)
西田礼三邸(日野祭) ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takakomama

3
ものづくりの窓、食品加工の窓、商いの窓。建物にも手仕事にも、知恵と歴史を感じます。2020/03/12

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