釜ヶ崎で表現の場をつくる喫茶店、ココルーム

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  • サイズ B6判/ページ数 239p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784845916009
  • NDC分類 368.2
  • Cコード C0095

出版社内容情報

詩のエネルギーが巷を変えていく!
暮らしをアートで解放するこれまでになかった運動、
そのいろいろから生まれたこれまでになかった本。
???谷川俊太郎

笑って、泣いて、聴いて、問い続ける…、
アートNPOこえとこころとことばの部屋=通称「ココルーム」の15年の歩みと、
釜ヶ崎芸術大学



2003年、大阪市との恊働事業として「新世界」で生まれた「NPO法人こえとことばとこころの部屋」、通称ココルームによる活動記録と、その精神性、社会への提案を伝える1冊。

釜ヶ崎(日本最大のドヤ街、日雇い労働者の寄せ場)で、「カフェ運営」の形をとって、アートやメディアなどを軸に、ホームレスの詩人やピアニストのマネジメントを行ったり、若者の就労支援をしたり、野宿のことを考える夜回り、高齢者が暮らすアパートの管理受託をしたり、分野にこだわらず越境しながら活動してきた。また行政とともに粘り強く文化政策に関わり続けてきた。この地域で多様な人々との出会いと出会い直しの場づくりと、やがて直面する孤独死に向き合い、2014年ヨコトリにも出場した「釜ヶ崎芸術大学」の活動へと進化してきた。そして、新事業・地域に根ざしたゲストハウス運営に乗りだした。

先駆的なこの活動は、多くの研究者やアーティストなど、表現者の注目を集め続ける。

本書では、公共、福祉、多文化・多世代共生、地域社会、消費の社会、貧困と格差など、現代の多様な問題と事柄に、「釜ヶ崎」で孤軍奮闘してきた時代から、国内外問わず支援者を獲得し、広がってきた今に至る約15年の歩みを、著者の振り返りと、関係者たちの証言でまとめた。

これからの社会デザインの在り方を考える際の最重要資料として、また、表現・創作活動をする人に寄り添う本として、さらに場をつくるすべての人にとって、必読の1冊。


谷川俊太郎/鷲田清一/森村泰昌×著者との対談3本、栗原彬の特別講演録を収録。

西川勝、坂上香、岸井大輔、猪瀬浩平、倉田めば、松本裕文、アサダワタル、山田創平、劔樹人、岩橋由莉、 鈴木一郎太、甲斐賢治、横山千秋、山田實、他ココルームスタッフらによる寄稿。

ここにしかない「野生知」を生む場の実践と、釜ヶ崎の美学

上田假奈代[ウエダカナヨ]
詩人・詩業家。NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)代表。08年から西成区通称・釜ヶ崎で「インフォショップ・カフェ ココルーム」を開き、喫茶店のふりをし、09年向かいに「カマン!メディアセンター」開設。「ヨコハマトリエンナーレ2014」に釜ヶ崎芸術大学として参加。16年春移転し「ゲストハウスとカフェと庭 ココルーム」を開く。
著書に、詩写真集『うた』(WALL)、『こころのたねとして~記憶と社会をつなぐアートプロジェクト』(ココルーム文庫)、朗読CD『詠唱!日本国憲法』、『あなたの上にも同じ空が』他。
大阪市立大学都市研究プラザ研究員。2012年度 朝日新聞関西スクエア大賞。2014年度 文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞。 www.cocoroom.org

谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]

鷲田清一[ワシダキヨカズ]

森村泰昌[モリムラヤスマサ]

栗原彬[クリハラアキラ]

西川勝[ニシカワマサル]

坂上香[サカガミカオリ]

岸井大輔[キシイダイスケ]

猪瀬浩平[イノセコウヘイ]

倉田めば[クラタメバ]

松本裕文[マツモトヒロフミ]

アサダワタル[アサダワタル]

山田創平[ヤマダソウヘイ]

劔樹人[ツルギミキト]

岩橋由莉[イワハシユリ]

鈴木一郎太[スズキイチロウタ]

甲斐賢治[カイケンジ]

横山千秋[ヨコヤマチアキ]

山田實[ヤマダミノル]

内容説明

ここにしかない「野生知」を生む場の実践と、釜ヶ崎の美学。

目次

対談1 谷川俊太郎×上田假奈代「釜ヶ崎と詩」
第1章 ココルームに始まる
第2章 ココルームは問い、問われるQ&A16
特別講演録 自治:自分のなかの他者を動かす 栗原彬
第3章 ココルーム、「釜ヶ崎芸術大学」を始める
対談2 鷲田清一(哲学者)×上田假奈代「釜ヶ崎芸術大学での『学び』」
対談3 森村泰昌(美術家)×上田假奈代「冷めた熱狂」
巻末資料

著者等紹介

上田假奈代[ウエダカナヨ]
詩人・詩業家。NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)代表。1969年奈良県吉野生まれ。3歳より詩作、17歳から朗読を始める。92年から詩のワークショップを手がける。2001年「詩業家宣言」を行い、さまざまなワークショップメソッドを開発し、全国で活動。08年から西成区通称・釜ヶ崎で「インフォショップ・カフェココルーム」を開き、喫茶店のふりをし、09年向かいに「カマン!メディアセンター」開設。「ヨコハマトリエンナーレ2014」に釜ヶ崎芸術大学として参加。16年春移転し「ゲストハウスとカフェと庭 ココルーム」を開く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かえるくん

7
「表現を担保するとは、お互いの存在を認めて、大切にしている場をつくれているかを問われているということなのだ。表現することが大事なのではなく、表現できる場をつくれているか、その場の一人として、他者として生きているか、と」。2016/12/30

かす実

4
一週間ここに滞在した、その準備で読んでった本。釜ヶ崎という街はいま激動の瞬間を迎えているけれど、今もなお、ここには毎日をひっそりと、でもにぎやかに、のんびり暮らしている人たちがいる。釜ヶ崎は、社会から追われた人々が日本中で最後に行き着く場所。滞在中に出会った人々も皆、思い思いの過去を背負っているようだった。この施設は、そんな彼らひとりひとりの個性を尊重し、関係を育む場として機能している。同時に訪問者である私達にとっても、あまりにも居心地の良い場所だった。表現することや言葉を交わし合うことの大切さを思い出す2019/11/14

るる

2
ココルーム。すごい良かった。表現する語彙が足りない…。 見て見ぬふりされているものを受け入れている場所。ものすごいエネルギーが生まれる瞬間が、何度もあるんだろうなと想像する。2017/02/13

Hiromiki Kawasaki

2
同じ地域で活動されている方が書かれた本です。 自分の気持ちを言葉にして表現することの難しさ、その大切さを感じ、素通りしてたことを素通りしてはならないと思えた本です。 視野が広がったように思います。

Monty

1
この夏、大阪旅行に行った際に近くまで足を運んだけど、結局行けず仕舞い。ここに暮らす方々のことは想像することしかできないけれど、人とは何かという事と向きあっている方々なのかもしれないなぁと思った次第。会社が会社ごっこをしているような気分。2023/11/16

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