内容説明
現代音楽の各ジャンルの第一人者たちに、H.U.オブリストが迫る。1950年代以来西洋で生み出されてきた音楽とその形式が、視覚芸術・文学・建築・映画における前衛と取り結ぶ関係についての研究書。
目次
1章 前衛音楽の作曲家たち(カールハインツ・シュトックハウゼン;エリオット・カーター;ピエール・ブーレーズ)
2章 電子音響音楽の誕生(ヤニス・クセナキス;ロバート・アシュリー;フランソワ・ベイル;ポーリン・オリヴェロス;ピーター・ジノヴィエフ)
3章 ミニマリズム&フルクサス(テリー・ライリー;トニー・コンラッド;スティーブ・ライヒ;オノ・ヨーコ;フィル・ニブロック)
4章 現代の名匠たち(ブライアン・イーノ;アート・リンゼイ;クラフトワーク;カエターノ・ヴェローゾ)
著者等紹介
オブリスト,ハンス・ウルリッヒ[オブリスト,ハンスウルリッヒ] [Obrist,Hans Ulrich]
ロンドンのサーペンタイン・ギャラリー共同ディレクター。前職はパリ市立近代美術館のキュレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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doji
1
訳がやや固くも思われたけれど、音楽について考え続け、実践し続けてきたひとびとの生の声に触れるのはなにより刺激的だった。それにしても関係ないところでウォン・カーワイのことが嫌いになりそうな逸話がけっこう残った。2016/05/06
の
0
20世紀後半の前衛・電子・ミニマル・現代音楽家へのインタビュー集。電子音楽がシーンに到来し、音楽分野全体の布置が作り変えられ、巨大化した音楽構造や装置が他の芸術分野(視覚・建築・ダンス等々)を取り込んでいく中で、音楽家たちは何を考えて制作しているのか。経歴を読んでいくと、彼らは数学や文学を学んだ後、それらを活かす道として音楽を選んだため、音楽的なアカデミズムから自由になり、インタビューからも「音」そのものへの対話や形而上学的な意味性の追求が読み取れる。ここからまた21世紀の音楽が広がるのだろうか。2016/01/18