内容説明
「人生そのものが作品」…かつて比喩や揶揄でしかなかったこんな言い回しが、いま、かぎりなくリアリティをもっている。
目次
1 50・60年代に活躍したシネ・アーティスト(ジャン・コクトー―今ここではない黄泉の場所を求める魔術師;マヤ#デレン―ヴードゥー教を通して未知の旅をした女 ほか)
2 70年代に活躍したシネ・アーティスト(ジャン#ユスターシュ―映画=人生を生き抜いた“ポスト・ヌーヴェルヴァーグ派”;ジョナス#メカス―故郷へのノスタルジーを超えて、「いまとここ」を繋ぐFILMING ほか)
3 80年代に活躍したシネ・アーティスト(デイヴィッド#リンチ―腐敗とマインドピースを愛する逆説的怪物;デレク#ジャーマン―スクリーンの彼方に安息の“庭”を見つけたクイア・アーティスト ほか)
4 90年代から現在に活躍するシネ・アーティスト(ラース・フォン・トリアー―あらゆる表現行為を壊す、脱ハリウッドへの戦闘家;シリル・コラール―セックスと死とタブーに挑戦した破滅的ナルシシスト ほか)
著者等紹介
森直人[モリナオト]
1971年生まれ。映画批評/雑文業。「キネマ旬報」「流行通信」「BT/美術手帖」などに執筆
石原陽一郎[イシハラヨウイチロウ]
1962年生まれ。フランス文学専攻、映画研究家。立教大学他非常勤講師
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感想・レビュー
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めしいらず
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ドラッグ、セックス、同性愛、自死。タブーに生き死んだシネアストたち。その生き様故、異端者と見なされた彼らは、メディアや人々の興味本位と闘う中で、人生を狂わされ、スキャンダラスな死を迎えた者も数多い。彼らは芸術家を志向したのではない。型にはめられることに抗いながら生きるしか術を持たなかった彼らの、その生き様こそが芸術。ジャンルを問わない多岐に亘る活動。彼らがフィルムに刻み遺そうしたのは、人間の本質、表と裏、美と醜。目を背けたいような人間そのものの姿を、私たちにそのまま突き付ける。観る側にも覚悟を要求する。2015/07/16
tkm66
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資料2005/10/18