内容説明
映画界最大のカリスマ、最後のベールをぬぐ！狂気『博士の異常な愛情』・暴力『時計じかけのオレンジ』・宇宙『２００１年宇宙の旅』などの壮大なテーマに取り組んだ巨匠を、情報を圧縮した３０のアイテムで完全に解明。
目次
１ 台頭期（拳闘試合の日；空飛ぶ牧師；？ ほか）
２ 隆盛期（博士の異常な愛情；２００１年宇宙の旅；時計じかけのオレンジ；バリー・リンドン）
３ 円熟期（シャイニング；フルメタル・ジャケット；アイズ・ワイド・シャット）
失われた世界―または作られなかった映画
著者等紹介
内山一樹［ウチヤマカズキ］
１９５４年、東京都渋谷区生まれ（誕生日はＳＫの娘アンヤと同じ）。早稲田大学大学院文学研究科（映画学）修了。現在、ビデオソフト会社で映画ＤＶＤの製作に携わっている
江口浩［エグチヒロシ］
１９６３年生まれ。映画研究者。川崎市市民ミュージアム映画部門勤務
荒尾信子［アラオノブコ］
東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
入江
20
美しいフォーマットでデータがのせてあります。キューブリック映画のような完璧さです。 シンプルで骨太という印象でした。複雑な思考、才能ある人ってとことんまで行ってしまうのですね。2021/08/28
たらお
14
再読。フィルムアート社の映画本。読んでいるだけで映像が蘇ってくる。完璧主義だけあり、周りに求めることにも厳しい。一つの動作のテイクを100回以上繰り返すこともあり、ジャック・シャイニング・ニコルソンも何度もテイクを繰り返されるうちに嫌気が差してエキセントリックな演技をしたら、それが使われたりしている。俳優たちもテイクを重ねて上手くならなきゃいけないと思い、できなくてもキューブリックは極限状態と消耗状態の中から無理矢理にでも搾り取る。観る分にはいいけれど、一緒に仕事をするには相当タフでなければならない。2020/04/25
狭山山広
2
いわゆる巨匠となる前の突撃あたりまでの成り上がっていくとこが特におもろかった。ポン・ジュノみたいに一人で細部まで明確に作り上げるタイプじゃなくて、現場でもスタッフやキャストの意見を柔軟に取り入れて変化させていくタイプだったのね。2021/09/17
独居202
1
最近キューブリックの作品にハマった私の様な人間には胸焼けするような情報量だった。各作品ごと30項目に分けて説明してくれているのだけれども後半にいくに連れて項目が意味を成してるのか疑問になってくる。（情報量が多いから仕方がないのだが）一流のスタッフと一流の俳優を集めてポルノ映画を作ったら面白そうって所からアイズワイドシャットが生まれたエピソードが一番印象的で面白かった。2017/09/13
バズリクソンズ
1
とにかく翻訳が素晴らしい！キューブリックが天才たる所以を余す事無く、見事な文体で翻訳されています！これはキューブリックファンで無くとも読み進めていくうちに惹かれていくでしょうね！キューブリックが意図していた事を流麗な日本語に置き換えられています。キューブリックファンで無くとも是非！！この本でキューブリック映画に触れ、そしてファンになる事必至です！
