出版社内容情報
ここは、まだ戦場だ──。
「戦後」と呼ばれる時代。
己の運命を国家や家族、そして時代に翻弄されながらも、
日本とアメリカに生きた4人の人間の物語。
人気作家や社会学者の方も推薦!!
戦後の日本とアメリカに生きた若者を実直に描く衝撃のデビュー作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nbhd
14
すごいと思った。ナショナリティー、エスニシティー、ジェンダー・セクシュアリティー、マイノリティー、そしてアイデンティティー、この世のさまざまな「ティー」が溶け合った作品。なんだか溶けるような描線だなと思っていたら、じっさい描写が溶けていった。とろけるチーズでも、塩分3%の食塩水でもなくって、なんというか紅茶に砂糖を入れたときの、あの”にゅわわーん”ってモワンモワンした「溶け」、あのかんじだ。胸に感じる痛みも”にゅわわーん”と溶けてこんでくる。坂口安吾を思い出したり、した。2025/03/08
桐一葉
6
あまた居る人の中で、ここに出てくる人たちは確かにこの時代に生きてらした、と思う内容やった。漫画やけど、映画を観ている気分になった。これ以上ないってくらい人間の愚かさを集めきった戦争をする国で生きていたくない。どれだけの犠牲があって今があるかを忘れない為に知りたい。生き延びても生き辛さがまだまだある彼らの生きている姿を読みたい。下巻が待ち遠しい。2024/06/30
Decoy
4
時代や国家の翻弄され、本来送れたであろう人生よりも、ずっと不幸になってしまった日米の男女4人の物語。セクシュアリティの問題が絡んでより複雑になっているが、これが物語としては魅力を増している。圧倒的な読後感で、強烈な張り手を喰らった感じ。下巻が待ち遠しい。2025/01/02
たけのこ
4
おお、なかなか好きでした。 戦後の少女たちの人生を描いた作品。絵の感じが好きなのかな。いやおうなくキャラに共感してしまう強さがあります。 先生のあとがきからすると性的マイノリティを描くつもりの作品のようなので、そのへんの動向も気になるところ。2024/05/01
ruru3067
3
横槍メンゴ先生のラジオから興味もって買った本。読んだあと、下も買いたいと思った上巻だった。作品を読んで続きを買いたいと思うのは物語の引きが気になるとかがあるけど、この作品は純粋に登場人物たちのいく末が気になるから。すれ違いから、それぞれが抱えているモノへの決着など気になる要素がある。最近買った続く漫画で一番良かった作品。2024/06/22
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- 和書
- 宰相の資格