出版社内容情報
まめに働き、生真面目で、だけど心はやわらかで……
髪結床で将棋さし、
長屋の子どもとひとっぷろ。
七輪かこんでカマスを焼けば
お猫がにゃ~と寄ってくる。
江戸を生きた“ふつうの人々”の暮らしをやさしく丁寧に活写する傑作短編集、心にしみる完結巻
?朝日新聞「読書」欄&「月刊 学校給食」掲載
?フリースタイル「このマンガを読め!2024」第16位
【収録話】
手習い
髪結い
まし?ない
湯屋
観音祭
大八車
怪談
お盆
魚河岸
太平
稲荷ずし
屋根
七輪
火鉢
東風
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Roko
25
火事が多かった江戸の町だから、大きな商家であっても家にお風呂はなくて、みんな湯屋へ通ってたんです。道が全部土だったから、風が吹けば土が舞うし、雨が降ればぬかるんでしまう。湯屋へ行って、砂やほこりを流すとのが大事だったそうです。江戸時代の家は平屋か2階建てだったから、屋根に登れば遠くまで見渡せたというのは、何だか羨ましい気もします。西には富士山、北には筑波山、どちらもきれいに見えたんだろうなぁ。江戸の生活が、今よりもずっと豊かな気がするのです。 2024/04/20
ほうじ茶子
15
下巻もお江戸の暮らしは楽しかった。市井の人々の大らかな暮らしぶり。屋根に登って、汁物!(運ぶ奥さんすごい!)を食べる親子とか、子連れで湯屋へ〜てっきり自分の子かと思ったら長屋の子〜とか、かます焼くのに塩をご近所さんから借りてくるとか。最後はオノマトペのお江戸で飛脚が"ぴゅ!"また上巻が読みたくなります。2024/05/08
しましまこ
13
江戸いいな。2024/04/06
hassy★
4
総菜屋さんの花見弁当が美味しそう。里芋や椎茸、さつまいも。ごぼうのきんぴらを梅で和えたり。鯵のつみれ汁も美味しそう。庶民の生活が知れる。貸本屋の本のメンテナンス方法がすごかった。本を蒸すって、和紙だからできることよね?今の本は無理かな。昔の紙は上質だったってこと?大体がサスティナブルですね。2024/04/14
たけのこ
4
いい作品だったな~。江戸の文化を描くといってもその視点はさまざまだと思うのですが、なんていうかちゃんとその庶民と同じ目線から江戸を見せてくれる。しかも描き出す線の丸っこくてレベルの高いこと。俯瞰の絵とか目を見張るうまさがあるなぁって思います。2024/04/14