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出版社内容情報
圧巻の描写でよみがえる、江戸職人の技と意地
「金なんざどうだっていい。心意気の話さ。わかるだろ?」
ただひたすらに、ひたむきに……
桶職人、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官。
伝統の手仕事を圧倒的ディテールと珠玉のドラマとともに描く歴史的傑作。
■桶職人
覚えときな。木ってのは生きてんだーー木を見つめ木と生きる桶職人の一日。
■刀鍛冶
自分が打った刀で子どもが殺された。灼熱の鍛冶場ーー多くを語らぬ刀匠の胸中は…
■紺屋
友禅染が大流行する中、藍染の意匠に悩む一人の職人。先の見えない仕事に心は沈むが…
■畳刺し
明け渡った吉原が男達の仕事の場。暮れの畳の張り替えに遊女達の冷やかしは付き物で…
■左官(一、二、三)
土蔵の普請場に奇妙な男が現れる。甚三郎と名乗るこの男、上方から流れてきたようだが…
1 ~ 1件/全1件
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ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
venturingbeyond
107
少々乗り遅れましたが、江戸市井の職人仕事を描いた話題作を読了。皆様のレヴューの通りの大傑作。細かな職人仕事のプロセスが細部に至るまで描かれた一コマ一コマから、木目に美しい刃文の刀身、藍染模様、畳表に畳縁、土壁に漆喰と、その成果としての工芸の美が、そのテクスチュアまでしっかり伝わる丁寧な描写で伝えられる。また、仕事の詳細を言葉を重ねて描写する野暮は決して行わず、最低限の説明とシンプルなやりとりの中で、腕一本を誇りとする職人の矜持と職業倫理が示される。次巻が待ち遠しいとびきりの傑作です。2024/03/07
ネギっ子gen
82
【木のクセ組は工人らの心組み 百工あれば百念あり 一つに統ぶるが匠長の器量なり】娘から連れ合いへの誕生プレゼント本。桶屋、刀鍛冶、染物屋、畳刺し、左官屋など、江戸職人の技と意地の世界が、精緻なタッチで描かれる。「神田ごくら町」の地名は、日本橋周辺。名の由来は『落語』をもじって『ごくら』としたらしい。「蔵が並ぶ町」か「極楽」というイメージか。談志風に言うと、江戸の風が吹いている、その匂いが…。上方の左官は女の頭に忠告する。「心を組まずに面目(かお)を潰されるばっかやと、職人も気持ちを保たれへんやろ」と――。2024/04/19
がらくたどん
76
善きものをご紹介頂きました♪帯文というもの、まあそれなりに誇張・大仰の匙加減は織り込み済み・・ではありますが「圧巻の描写でよみがえる、江戸職人の技と意地」驚いたことに一ミリの誇大もなし。桶職人・刀鍛冶・紺屋・畳刺し・左官。江戸時代の職人町神田(今でも鍛冶町とか塗師町とかの地名が残っている)を舞台に技術と心意気を誇る若い職人たちの「とある日常」をその指先・目の動き・その呼吸まで写し取るような細やかさで描く。最初の3篇は職能図鑑、後半2編は職人ドラマの趣。実際は少数派だった女性職人を主人公にしたのも面白い。2023/10/27
s_s
75
静かで確かな熱を帯び、圧倒的でありながら強く引き寄せられるような魅力を兼ね備えた、”職人”たちのマンガ。シリーズの1巻目であるが、これが作品としてこれからも続いてくれることが、まずは嬉しい。ひたすらな熱意に吹き抜ける風のような爽快感さえ感じ、ひたむきな姿勢に作中人物と一緒になって思わず息を呑んだ。手元や目の動きがよくクローズアップされるが、その分セリフの量が上手い具合に抑えられていて、読者が作品に没入することを邪魔しないという、絶妙なバランスである。2023/10/24
りよこ
72
今まで読んだことのない漫画。人が自分を無にして仕事に打ち込んでいる時間を絵で表現できるということをはじめて見せてもらった。2023/09/08