感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちぇけら
18
ながいながい祈りの手をほどいたら、世界が花を孕んでいました。それはまるでお星さまのようでしたと童話は終わりました。あなたが蒔いた種は芽生えましたよと、うちっぱなしのコンクリートに声がはねる、はねる、とぶ、うつくしいですか世界は ええ、とっても、とっても。一瞬だけ、蛹を脱いで生きた心地がしたので、もうすぐ天使は膝をすりむいて死ぬのでしょう。雨になるのでしょう。からだが剥かれるようにかなしくて、真赤の傘をひらきました。あなたは死ぬからうつくしいと、本気で詠った夜に星は、心臓にむかってながれたのです。2021/09/29
しましまこ
17
優しい神様。2020/02/02
akihiko810/アカウント移行中
15
前作「ぷらせぼくらぶ」以来、久々の奥田の短編マンガ集。7/10点 最後に収録されている、双子の姉妹の話「神様」と、高校時代の馬鹿な友人をもつ話「ニューハワイ」がよかった。奥田亜紀子はとにかく寡作みたいだが、とりあえず漫画家を続けてるみたいでうれしい。2021/08/03
しゅん
11
双子の話はとりあえずめちゃ好きだった。高野文子の視点と書き方、岡崎京子のスクリーントーンの貼り方を受け継いで、市川春子と共振した。感じがする。2021/01/23
さとさとし
6
たまたま手に取った本がぷらせぼくらぶの奥田さんのだった。表題作は自分は長く生きられないとわかり、何もやる気が起きない女子高生。それと、妄想か妖精的なものか分からないが、親子2代で主人公にまとわりつく小人の話。これがのっけからよい。夏休みの終わりの時期、学生時代に最初の友達となってくれた冬子。それが今はヒモ男との縁がキレないダメな女になっていた。という夏休みもよいが、黄色編のナンセンスギャグもとてもよい。買っちゃう? →買った! ⇒読み直したら後半の作品が「文学」な感じであまり馴染めなかった‥2020/02/02