出版社内容情報
移ろいゆく東京の一夜を切り取りカルチャーシーンに衝撃を与えた表題作ほか、新時代の俊英による鮮烈な作品集。(推薦=小西康陽)
ひとり暮らしの女性の日常と東京の夜景を通して現代の時間の流れを切り取った表題作ほか、龍になろうと修行した男がウナギになって食われる「龍神抄」、赤塚不二夫の満州引き上げ体験を絵物語にした「赤塚藤雄の頃」、藤枝静男や梅崎春生の短編を漫画化した「妻の遺骨」「輪唱」など、新時代のリアリズムを切り拓く1+13編を収録。著者自身が執筆した13ページにわたる「著者解題」も読みごたえがあります。
「POPEYE」「SWITCH」「SPECTATOR」………各カルチャー誌が次々と特集を組み、第21回 文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品にも選ばれた話題の俊英・川勝徳重、待望の作品集。
収録作品
・PART.1 変身譚
龍神鈔
徳富重耕の死
夢応の鯉魚
・PART.2 原作付き
妻の遺骨 原作 藤枝静男
輪唱(一)(二)(三) 原作 梅崎春生
赤塚藤雄のころ
・PART.3 アーバン・ブルース
先が見えない
西新宿五丁目のシェアハウスでオレたちゃ平和だぜ
薄雪
DISCORD
冬の池袋、午後5時から6時まで
電話・睡眠・音楽
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著者解題
著者プロフィール
川勝徳重(かわかつ とくしげ)
1992年、東京生まれ。
2011年『幻燈』(北冬書房)にてデビュー。以後、様々な文芸誌や漫画誌に作品を寄稿。また漫画雑誌『架空』の編集・執筆に関わる。2016年にはPIZZICATO ONE『わたくしの二十世紀』アナログ盤のジャケット・イラストを担当。また『貸本マンガ史研究』に水木しげるについての評論を執筆するなど、活躍は多岐にわたる。著書に『十代劇画作品集』(セミ書房)。