出版社内容情報
猫を愛しすぎる若旦那や、童にまじって手習いに勤しむ女性など、江戸の日常を悲喜こもごもに活写。短編の名手が贈るハートフル絵巻！猫を愛しすぎる若旦那や、童にまじって手習いに勤しむ女性など、江戸の日常を悲喜こもごもに活写。短編の名手が贈るハートフル絵巻！
塩川桐子［シオカワトウコ］
イラスト
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
天の川
45
こちらも浮世絵の中の人々が動き出す6編。「差配さん」に登場する保護猫活動に勤しむ青羽屋の若旦那の恋の話から始まったので、「差配さん」の続編かと思いきや、他の5編はそこから離れた江戸の人情噺。妻と番頭の不倫関係の中、病で亡くなった大店の主人に願いを託された女中と手代が百両を前に選んだ其々の選択を描く「蛙」は善き人々だけに切なかった。幼馴染の恋しい男に別れを告げる花魁の胸中を描く「雪」も。町娘のおちゃっぴいさやひたむきさを描いた「侠」「ふきちゃん」はほのぼの。いずれも秀逸☆塩川さん、寡作なのがとても残念。2024/01/18
tosca
29
以前に読んだ「差配さん」も良かったけれど、今回も面白かった。まずは絵が素晴らしい。浮世絵のような人物の表情が味わい深いものがあるし、子供の絵がとても可愛らしい。一番気に入ったのは猫が出てくる「ワカダンナ」だけど、どのストーリーも素晴らしい。永久保存版にして時折読みたいヤツ2024/02/01
ネムコ
29
名作「差配さん」の作者さん。「差配さん」に出てきた、猫の保護活動をしていた青羽屋のご主人が『ワカダンナ』だった頃のお話。その他、江戸の人情話や怪談っぽい話など。読むと気持ちが穏やかになります。2018/09/02
しましまこ
22
「ワカダンナ」なんて素敵な響き、その上「福太郎」、もうコレだけでご飯三杯！同じ福太郎でも日向子センセの「若旦那」とは道楽が違う、粋になれない優しいお人柄。一生懸命の小僧さんがまた可愛いのよ～。花のお江戸の短編集、面白かった！2018/08/29
あたびー
15
「差配さん」に登場する猫の孤児院みたいな小間物屋の若旦那。彼と女将さんの馴れ初め譚「ワカダンナ」他、達者な筆力で美しく描かれた絵と笑いあり涙ありのストーリー。またこの人の作品を読むことができて幸せだ。その絵の端正さはコミックというよりまさに日本画、人物、衣装、背景すべてが確かな画力のたまものなのであった。2019/05/14
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