内容説明
国家として歴史に蘇ったウクライナ。しかし、中世末以来ポーランドに、ツァーリズム・ロシアに、ハプスブルグに分割されソヴィエトに支配されてきたこの地域は、固有の歴史を復元できるだろうか。アイデンティティを模索する人々の姿を東欧史家が描いた価値ある旅行記。
目次
第1章 ヴェルニホラー、〈山を覆す者〉
第2章 エカチェリーナ二世の名を冠した町
第3章 バフチサライの泉―クリミアへの旅
第4章 ルヴフかリヴィウか
第5章 キエフからカメニェツ・ポドルスキへ
第6章 リトアニアとベラルシの旅
第7章 ナショナリズムを測定する
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
6
ポーランド史の研究者が、1992年にウクライナとリトアニア、ベラルーシで学会に参加した際の紀行文。ライトだが非常に読ませる内容。ロシア帝国/ソ連だけでなく、ポーランド王国(ジェチポスポリタ)もまたウクライナの歴史的運命に大きな影響を与えていたことがよく分かる。ある意味、ウクライナのナショナリズムは東西の両大国から身勝手な「仲間意識」を押しつけられ、これと戦う中で鍛えられてきたのではないかと思う。とは言え、今回の戦争で「東」への反感に振り切れる形になりそうではあるが…2022/03/20
海
1
ポーランド専門家のウクライナ旅行。読み終わったときに感じたのはこの地域の歴史の複雑さである。ロシアとポーランドの間にあるウクライナは、東西で異なる歴史を辿ったようである。ガリツィアのウクライナ人は反ロ的と聞いているが、反ポーランド的な考え方もあるらしい。ポーランド側の強いバイアスがかかった本だと思うが、面白い。2023/07/09
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