内容説明
本書に収められた小説はタルコフスキイ自身による映画『鏡』に関連するもの、詩は小説、、映画『鏡』および作業ノートで引用言及されたものである。新たな映画言語の本質に迫る最高傑作の資料集成。
目次
タルコフスキイ家のアルバムから
『鏡』シナリオ
映画『鏡』に使用された楽曲の歌詞
作業ノート
「作業ノート」シーン名―本編カット番号対照表
『鏡』カット撮影日一覧
資料編 『白い日』から『鏡』へ
映画『懺悔』の申請書
映画『鏡』の構想ヴァリアント
建築大学におけるA・タルコフスキイ監督との対話
小説『白い、白い日…』
『白い、白い日…』ヴァリアント
小説『白い日』
詩九篇
感想・レビュー
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こんな本を読んだよ
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今の時代では、多分だれも作ろうとはしないであろう形式の本。ある意味、商品としての紙のメディアである本の、ぎりぎりの姿なのかも知れない。タルコフスキー・ファン愛蔵本といったところ。どうしても作るのなら、おそらくWEB上に作るであろう。DVDに追加情報で入れてもいいかもしれない。小説はサクリファイスのシノプシスと違い、少し深い。亡命した彼がソ連時代の傑作の原型を形にしようとしたのだから、そこに文学的な深化の理由がある。しかし彼は作家ではない。映画監督である。映画の「鏡」は、素晴らしい。2012/01/09