内容説明
奇形・死体・娼婦・犯罪者・狂者・異邦人…。秩序化された肉体からの錯乱と逸脱のイメージの中に、時代のテイストが見える。19世紀の肉体とその写真イメージを通して描く、卓抜な19世紀精神誌。
目次
奇形の医学―19世紀の医学写真についての考察
アトリエからスタジオへ―19世紀における画家・写真家・モデル
人種美と女体美
東方の肉体(オリエンタリズムと写真;ジャン・レオン・ジェロームの女たち)
消えゆく人々―エドワード・カーティスによる北米インディアンの記録
愛の部屋の肉体―『ラ・カーサ・デ・シタ』と『ストーリーヴィル・ポートレイト』
性と様式の衝突―ウィルヘルム・フォン・グローデンの男性裸体写真を中心に
越境する鏡―サルペトリエールの写真図像学