内容説明
動・植・鉱三界の特質をひとつの個体に封じこめた存在ともいえる、水中の無脊椎動物の摩訶不思議な形態。そして、それを取りまく「水」の表現法には、いかなる工夫がなされてきたのか。
目次
水中の生活が描かれるまで
世界初、海中の眺め―ゴッス『アクアリウム』
海底山脈に咲く海のアネモネ―ゴッス『イギリスのイソギンチャクとサンゴ』
幻想の腔腸動物と青い水圧―アンドレス『ナポリ湾海洋研究所紀要』〈イソギンチャク類篇〉
透明浮遊感覚の固定―デュプレ『コキーユ号航海記録』
究極のリアリズムと水の標本―キュヴィエ『動物界』
想像力の逸脱と自然の逆襲―ヘッケル『自然の造形』〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Като́н
1
トワイライトゾーンって水中にも使うんだ。東西の水をに対する感覚の違いから、チャンスイメージまで学んで、ブオナンニが言うとおり自然物の驚異で存分に目玉を楽しませた。2024/10/19
小林ミノリ
0
セゾン文化の中核たるリブロポートから出版されていたファンタスティック12シリーズの一冊、水中の驚異編、水中の無脊椎動物の図版中心で構成、手彩色の美麗な図鑑の図版を底本としているため現代印刷物とは一線を隔す異様な迫力があり、水中の描きかたの歴史も俯瞰できます。
Takashi Edamoto
0
序文にあるとおり、「目玉の大冒険」である。 ひたすら見て楽しめばよい、という本だが、荒俣先生の解説(感想?)も興味深い。2014/01/27
ときのき
0
水中生物をいかにして描くか、その試みの記録。時代や描き手によって、伝えられる現実の姿が変容していくという、当たり前だけれど不思議な話について。2012/02/13