内容説明
「意識と自然―漱石試論」(「群像」新人文学賞受賞作)他初々しい創見にみちみちた、著者の原点を示す必読の処女評論集。
目次
意識と自然―漱石試論1
内側から見た生―漱石試論2
心理を超えたものの影―小林秀雄と吉本隆明
発語と沈黙―吉本隆明における言語
閉ざされたる熱狂―古井由吉論
江藤淳論―超越性への感覚
夢の呪縛―埴谷雄高について
高橋和巳の文体
芥川における死のイメージ
文学の素心を索めて
マルコ伝について
「実践」とはなにか
地図は燃えつきたか―大江、安部にみる想像力と関係意識
二人の先行者―江藤・大江論争について
内面への道と外界への道
自然的なあまりに自然的な―精神の地下室の消滅
批評家の「存在」
二冊の本―『歴史と文学』と『復興期の精神』
吉本隆明『情況』
W.H.オーデン『第二の世界』
古井由吉『男たちの円居』
鮎川信夫『歴史におけるイロニー』