感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
pangea74
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15世紀から19世紀中頃にかけて地中海で暴れまわったバルバリア海賊とヨーロッパ各国の戦いの歴史をまとめた内容。40年前ぐらいに出版された本で、文章が独特で若干読みづらかった。中身は悪くなかったので読み応えあり。地中海沿岸の国々はしょっちゅう海賊の餌食になっていたそうで、攫われた人は奴隷にされたり、ガレー船の漕ぎ手でこき使われていた。身代金を払って釈放された人もいれば、国に帰っても生活できないから敢えて奴隷の身分のままで過ごした人もいた。ヨーロッパ各国も海賊の根城の街を攻撃した際に略奪や多数の住民の殺害を2021/02/21
人生ゴルディアス
2
普通に本屋を探すとぽっかり真空状態の17世紀前後あたりの地中海の、さらにマイナーな北アフリカはバルバリア地方の海賊についての本。貴重! 19世紀末に書かれた本の翻訳らしい。訳者あとがきをみると、同著者で『中世におけるアラブ人について』みたいな本もあるらしい。誰か翻訳してくれないかなあ。訳文は時代劇調ですごく面白かったが、現代歴史学の本ではないので、かっちりと当時の状況が書かれているわけではない。色々頭で埋め合わせる必要がある。度量衡・・・・・・貨幣単位・・・・・・。訳注でかなり助けが入ってはいるけれど。2015/12/21
しいかあ
2
バルバリア(今の北アフリカ)のコルセアと呼ばれるイスラム海賊についての本。彼らはイスラム教国の支援を受けて地中海を中心にキリスト教国を荒らしていた私掠船的な存在で、主にキリスト教徒の奴隷に漕がせたガレー船を使った(対するキリスト教国側もイスラム教徒の奴隷に漕がせたガレー船を使っていた)。意外なことに、コルセアのほとんどはかつてコルセアにさらわれてきた元キリスト教徒だった。一介の海賊船長からオスマン帝国の提督まで成り上がり、90近くまで生きて天寿を全うしたバルバロッサの活躍を描いたくだりが面白い。2010/05/25
Chaturdashi Yura
1
『奴隷船、金貨、美女、トルコの半月刀、十字架、真紅の胴着、血に染まる地中海・・・今も心に残るなつかしい海の男たちの合戦絵巻』地中海の伝統産業のひとつ海賊業に従事した男たちの紳士録。原文がそうなのか、訳者のセンスなのか文章にケレン味があって読み物としてとても楽しい。思わず声に出したくなる。2014/02/23
ての字
1
キリスト教圏から書かれた本だが、海賊がキリスト教圏・イスラム教圏いずれも属する国で地位を与えられており双方大差なく暴力行為と略奪を行っていた旨は書かれている。名のあるイスラム圏の海賊の多くがキリスト教からの改宗者であり故郷に帰れば底辺での生活を余儀なくされる故に海賊であり続けた(自分で志願したとは限らない)アウトローであること、キリスト教圏の海賊は階級社会らしく将校クラスは貴族出身で占められていること、という違いが海上の勝敗に関係しない。2011/11/27
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