内容説明
1990年代、日本の音楽シーンで起きたムーヴメントを徹底検証!音楽ナタリーで好評を博した連載『渋谷系を掘り下げる』に新規コンテンツを加えて書籍化。当事者のインタヴューを中心に、対談、マンガ、ディスクガイドなど多角的な切り口で明らかにする、渋谷系の本当の姿。
目次
センター街の一角から始まった黄金時代(佐野郷子)
多くの才能を輩出したネオGSシーン(岡村詩野)
カジヒデキが語る“僕が渋谷のレコ屋店員だった頃”(土屋恵介)
“裏番”會田茂一が語るアナザー・ストーリー(佐野郷子)
ドレスコーズ・志磨遼平が語る憧憬とシンパシー(フミヤマウチ)
対談:LOW IQ 01×松田“CHABE”岳二(土屋恵介)
マンガ家・大橋裕之が描く“僕と渋谷系”
坂本慎太郎が語る“対岸から眺めた渋谷系の景色”(フミヤマウチ)
多彩な才能が集った伝説のクラブ、下北沢SLITS(磯部涼)
DJ松浦俊夫が語るクラブ・ジャズ・シーンの黎明期(柳楽光隆)
吉田豪が語るアイドル・ソングとの親和性(臼杵成晃)
韓国のポップ・ミュージックへの影響(大石始)
岡崎京子と渋谷系のシンクロニシティ(A.K.I)
小泉今日子が語る、“渋谷系の目利き”川勝正幸(辛島いづみ)
1990年代生まれが作る渋谷系プレイリスト
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
17
リットーミュージックの本です。元はネットでやってた音楽ナタリーでの連載に新規の内容を加えて書籍化しました。私の考える、渋谷系そしてポスト渋谷系といえば、コーネリアス、ラブ・タンバリンズ、ピチカート・ファイヴ、サイレントポエツ、ヤン富田、フィッシュマンズ、バッファロー・ドーター、辺りですね。兎に角多面的に色んなキーパーソンから話を聞いてます。元HMV渋谷店の仕掛け人、太田浩さんから始まり、カジヒデキさん、やオルタナの坂本慎太郎さん、EL−MALOの會田茂一さん、DJユニットUFOの松浦俊夫さん等の凄い面子。2021/12/24
ズー
14
オザケン スチャダラ オリーブが中学のころ好きだったけど、私の知ってることは氷山の一角だったんだなーと。名前だけ知ってる!この人知らない!なんてアーティストや、オススメのネオアコやブルースのレコードの曲をYouTubeで調べて、音楽を聴きながら読み進めたり。あの頃の渋谷があったからこそ、私は憧れて上京してきたと言っても過言ではない。色々聴きながら、あの曲ってこれに絶対影響受けてるわ!ってのがすごくあって面白かった。渋谷系詳しい人ほど楽しめると思う。レコード聴きたくなった!2021/04/22
furu_sato_sf
8
これまで”渋谷系”という言葉に対しては”何となくおしゃれ”という程度の印象しか持っていなかったが、この本を読んでも音楽ジャンルとしての定義は良い意味でさらに良く分からなくなった。個人的に、「渋谷系は音楽を中心とした”古今東西のポップなものを掘り越すカルチャームーブメント”だった」という表現はなるほどと感じたが、音楽に限定されることなく、自分たちの足で探して良いと思ったものを、仲間とシェアして拡散させていくという点は、現在のカルチャーの在り方につながる点もあると思ったりもした。2021/04/20
乙郎さん
7
様々な証言から当時の空気を浮かび上がらせる貴重な資料だとは思うが、渋谷系とは結局のところ人脈だったのかなと思ったり。2024/05/26
ポルポ・ウィズ・バナナ
5
「英国音楽とあの頃」と登場人物がかぶっているのに時代の空気感は一変して90年代になっていて面白い。渋谷系とはなんだったのか。その時代を見てきたから何が渋谷系と呼ばれてきたかは分かるが具体的な分類は難しい。渋谷系イズアティテュードとしかいえない。「本物じゃなさ」ってのは分かる。そもそもは元ネタを踏まえたハイコンテクスト結果的にそれ以降日本の音楽はタコツボ化していくのかな。その辺はなんか符号が一致するような気がする。2021/03/29