著者等紹介
谷崎潤一郎[タニザキジュンイチロウ]
明治19年(1886年)東京生まれ。東京帝国大学国文科中退。在学中に同人雑誌「新思潮」(第二次)を創刊し、「刺青」などを発表する
マツオヒロミ[マツオヒロミ]
イラストレーター。島根県出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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旅するランナー
214
文と絵が巧妙に調和して、めくるめく谷崎ワールドが展開され、愛好家は嬉々として耽読できます。秘密・禁厭(まじない)・呪詛に縁深い寺の庫裡に設えた部屋に、地獄極楽図・須弥山図・涅槃図などの古い仏画を四壁へぶら下げ、香炉から紫煙を立ち昇らせ、魔術・催眠術・探偵小説・化学・解剖学などの書物をばらまいて、怠惰に過ごす。そんな危うくも羨ましい空間描写が凄まじい。さらに、女装しての夜の徘徊、上海帰りの女との逢引きへと進む、怪しげな世界に陶酔してしまうのです。2020/12/31
いつでも母さん
179
秘密は秘密のままがいい―でも溺れてしまった私はもっと知りたい全てを知りたい・・乙女の本棚、今回は谷崎潤一郎の『秘密』。マツオヒロミのイラストも好い。2020/10/18
寂しがり屋の狼さん
108
【乙女の本棚】シリーズ16冊目。谷崎潤一郎さんは初読み(*^.^*)挿絵は「マツオヒロミ」さん。夜な夜な女装をして出歩く「私」は、ある夜、昔の女と再開する。そして彼女との秘密の逢い引きがはじまった。着物と近代建築が好きという「ヒロミ」さんの描く着物の女性が妖艶でいて可愛いさもあり本作品を引き立てています。小説としても画集としても楽しめる【乙女の本棚】シリーズ📚️とってもお薦めです(’-’*)♪2020/11/22
J D
80
今年最初の乙女の本棚シリーズは、谷崎潤一郎「秘密」男の秘密、女の秘密。作品と挿し絵がマッチしていて美しさを盛り上げる。これが、明治末期に書かれたとは思えない。美しくて、浅草の街の雑踏がびんびんと伝わってくる。谷崎潤一郎恐るべし。2025/01/02
美紀ちゃん
80
女装が美しい男の人は、ちょっと憧れる。 昔に付き合った美しい女性と再会して少し嬉しくなったのだろうと思う。 美しい人同士の恋愛。 良いけど、 不倫ってこと? 仕方がないと思う。 楽しい時間はいつまでも続かない。 さようなら。2021/04/13