内容説明
中島敦の『山月記』が、書籍の装画、ゲーム、CDジャケットなどで美麗な人や獣を描き本シリーズでは新美南吉『赤とんぼ』を担当する大人気イラストレーターねこ助によって、鮮やかに現代リミックス。人気シリーズ「乙女の本棚」の第15弾が登場。小説としても画集としても楽しめる魅惑の1冊。
著者等紹介
中島敦[ナカジマアツシ]
明治42年(1909年)東京生まれ。東京帝国大学卒業後、教員生活を経てパラオ南洋庁への勤務をしながら執筆活動を行う。喘息のため33歳で病没
ねこ助[ネコスケ]
鳥取県出身のイラストレーター。書籍の装画、ゲーム、CDジャケットなどのイラストを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
251
この「乙女の本棚」シリーズ、結構好きなんだけど、今回の組合せにはちょっと違和感あります。まあ、そこがいいっちゃいいんでしょうけど、誰この少女とか思っちゃう。主人公の崇高な苦悩・苦悶・苦渋が、うまく伝わらないんだよね。虎だけでいいんじゃないかなぁ。いくら猫ブームだっていってもねぇ、無理矢理ネコ入れてんじゃね。なんつうか、おっさんの本音だなシリーズでした。2020/10/15
いつでも母さん
193
ねこ助さんのイラストがいい感じで、李徴の孤独や苦悩が伝わるようだ。(遥か昔、ちっとも頭に入らなかったのに・・汗)李徴は作者そのものかーいっそ狂えたらどれほど救いになったかしれない・・人恋しい、独りは寂しい。私はここにいる。血の涙を流し魂の叫びは誰にも届かない。内なる声は異形となり咆哮だけが自らの存在を示すーそこでも独りだ。2020/05/28
kinkin
144
山月記は随分前に読んだ。その本は注釈もありわかりやすかったがこの本はそれがない分、素敵なイラストが装画されていていい感じの本だった。山月記は読み手側にも様々な捉え方があると思う。図書館本なので買って手元において自由に読んでみることもいいかもしれないなあ。それにしても中島敦という人は何十年にも渡って読み続けられる名作を残してくれたなあ。2021/06/08
寂しがり屋の狼さん
119
【乙女の本棚】シリーズ15冊目。中島敦さんの『山月記』🐯❗️挿し絵は同シリーズで私の大好きな『赤とんぼ』でも挿絵を担当された「ねこ助」さん(*^^*)物語とねこ助さんの描く妖艶な虎が見事にマッチして…このシリーズ、また好きな作品が増えました。(*^.^*)2020/06/19
アキ
109
確か教科書に載っていたような気がするが昔過ぎて覚えていない。虎になった詩人の話。「偶因狂疾成殊類 災患相仍不可逃 今日爪牙誰敢敵 当時声跡共相高 我為異物蓬茅下 君已乗軺気勢豪 此夕渓山対明月 不成長嘯但成嘷」虎となった自分の嘆きなんですね。解説文を読むまで、全く理解できませんでした。人間は誰でも猛獣使いであり、その猛獣に当たるのが、各人の性情だという。それにしても表表紙から裏表紙にかけての虎と女性の絵は美しい。昨年展覧会で見た大橋翠石の虎の絵を彷彿とさせるとまで言うのは言い過ぎか。小説は1942年初出。2021/05/10
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