内容説明
近未来、ロボットがぐっと身近になった世界。愛美ちゃんはお父さんと、ロボットのお兄ちゃんと暮らしていたのだけれど…。(トロイメライ)。大晦日、久しぶりにゆりちゃんが帰ってきた。同じ年にうまれた猫と女の子の物語。(桜の木の下で)。山奥に捨てられてしまった古いお雛様とお内裏様、三人官女。そんなお人形たちに、ある夜魂が宿ります。(秋の祭り)
著者等紹介
村山早紀[ムラヤマサキ]
1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞
げみ[ゲミ]
1989年兵庫県三田市生まれ。京都造形芸術大学美術工芸学科日本画コース卒業後、イラストレーターとして作家活動を開始。数多くの書籍の装画を担当し、幅広い世代から支持を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
221
先日読んだ第三弾『約束の猫』に続いて、未読の第二弾を読みました。これで三部作?コンプリートです。オススメは、表題作の『トロイメライ』です。 表紙絵やタイトルのイメージとは異なり、近未来SFディストピア小説でした。 http://rittorsha.jp/items/18317404.html2021/01/16
旅するランナー
132
トロイメライ演奏可能テルミン内蔵人型ロボット、15歳の白ねこ、魂が宿った雛人形。語られる、人びとの淋しさ、優しさ、暖かさ。淡くぼんやり美しい光を放つ、げみさんのイラストの中で、村山早紀さんの静かな物語が動き出す。いつの時代だって、理屈にあった戦争なんて、きっとないんだ。戦争をしない未来を作ろう。2019/09/27
美登利
85
村山早紀さんとイラストレーターのげみさんとのコラボ作品。優しい物語と優しいイラストで最高の絵本のような1冊に!と思ったら内容は意外と重いテーマの近未来のお話。地球の温暖化や戦争を子供たちが憂う。どうして大人たちはこのような結果になるのを止められなかったのか、物語とは言えそんなに遠い未来ではなく、確かにそのような方向に向かっていっている現実世界を考えると、どうにかしなければならないと感じます。果たして今の私にできることがあるのだろうか。2019/08/30
ゆみねこ
77
トロイメライ・桜の木の下で・秋の祭りの三編。げみさんの素敵なオールカラーのイラストがとても素敵で、標題トロイメライは近未来の人とロボットが共に生きる世界。少し切なく結末をもう少し知りたかった。猫と同じ年に生まれた女の子のお話し、桜の木の下でが好きです。2019/06/28
はる
74
短編3作。挿絵がかなり多め。表題作は気温が今よりずっと高く、ロボットが普及した近未来。本当にありそうでちょっと怖いです。もういるはずのない家族そっくりのロボットがいる風景が哀しい。はっきりとしないラストは少しモヤモヤ…。後の2編はほのぼのとした感じだけれど、表題作の印象が強いせいか物悲しさが漂う。挿絵は色彩が美しい。でも時々ヒヤリとするようなリアリズムがあって、そんなところも村山さんの文章とよく合っています。2019/08/06
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