内容説明
版画は「紙」の発明にともなって、古くは中国と日本を中心とするアジアと、ヨーロッパの西よりの地域で展開してきた。それは視覚芸術の一表現手段である以前に、広く宗教やゲームの世界に関わって、図像を複製化する手段として用いられてきた。本書は、紀元8世紀頃の版画の誕生から隆盛へといたる歴史を、時代ごと、地域ごとに追いながら、そこに、版を介在させた多種多様な技法と表現が見て取れるようにした。
目次
1 版の原理と起源+中国の版画
2 日本の古代~近世―日本の版画
3 日本の近代―明治前半+版画運動の時代
4 現代日本―戦後版画の展開
5 ヨーロッパ版画の始まり
6 ルネサンス期の版画の隆盛
7 17~18世紀の版画―バロック~ロココ
8 19世紀―石版画の登場+挿絵と風刺
9 現代―“巨匠”の時代+工房の発展
10 版画の過去・現在・未来