内容説明
なくならないマヨネーズ、大学生最後の日に出会った友達、空から伸びてきた巨大な手、名を呼ばれたものが消えてしまう世界。不思議な設定と、意外な結末。あっと驚く展開に、ほっこりするラスト。ちょっと不思議で、なつかしくて、90秒くらいで読める100本の小説と、最後に添えられた短歌。新鋭歌人「ちばさと」の小説デビュー作。
目次
ほとんど白紙スタート
会えるのは一度だけ
ウルトラマヨネーズ
時をかける先祖
一日だけの日記
泉
歌の翼
鼻毛の妖精
外の世界
柱のある部屋〔ほか〕
著者等紹介
千葉聡[チバサトシ]
1968年生まれ。歌人。横浜市立桜丘高校教諭。98年、第41回短歌研究新人賞を受賞。三省堂国語教科書編集委員。國學院大學、日本女子大学講師。作曲も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
25
短歌モチーフにしたショート集。さらっと読むのみ最適。初めに短歌を読むのがいいのか、最後がいいのかは何とも言えないが、面白い。2020/02/03
かりん
5
3:《ショートショートと短歌。》最初の方はこなれてない印象で余り楽しめなかったが、途中から慣れてきた。39の鈴木君とスズッキー、50最高の一句、52キャロル、64大作家くん、65進路希望について、69毎晩の薬、72わたしだらけが良かった。抜かれても雲は車を追いかけない雲には雲のやり方がある(松村正直)、雨の夜は亡き人おもふほのぼのと発光をする馬のかたちの(栗木京子)、急に君はちくわで世界をのぞいてる 僕は近くに見えていますか(千種創一)、大きなる手があらはれて昼深し上から卵をつかみけるかも(北原白秋)P2019/09/27
さとさとし
2
いろいろな人が詠んだ短歌から、インスピレーションを得た話を100作綴ったショートショート集。コンセプトは面白いし、お話もSF風味で好きなのだが、ほんとにその短歌から閃いたか?って感じ。一語を取り出した作ったとしか‥、うーん、まあいいか。5「一日だけの日記」、30「ロボットが教えてくれたこと」、84「贅沢な旅行」が短歌もお話も好き。 2021/04/18
chuji
2
久喜市立中央図書館の本。2019年3月初版。初出「短歌研究」2015年1月号~2018年6月号、他。現代短歌とそれからインスパイアされたショートショートの100作品。2019/06/18
no6
2
エッセイが面白いちばさと先生(こんな先生のいる高校に行きたい)が紹介する短歌と、それに合わせて書かれたショートショート(まさに「短歌のとなりの物語」)という構成なのだけど、まえがきもあとがきもないからちょっと戸惑う。紹介される短歌は石川啄木もあればニューウェーブもあり、で短歌の解説ではなく物語なおかげで短歌の世界の想像力が広がる感じで楽しい。短歌を詠んでみたくもなります。 ブックデザイン=小野寺健介(odder or mate)、イラスト=川原瑞丸2019/05/17