出版社内容情報
真言密教の開祖であり、日本仏教のカリスマともいわれる空海が、人間精神の発達を10段階に分けて整理し解説した。煩悩にまみれた心がだんだん磨かれて道徳に目覚め、最後に悟りの境地に至り、心が至福に包まれ満たされるという教えを現代の真言密教を代表する宗教家である著者がわかりやすく説いた。
内容説明
『十住心論』は闇の中から始まりました。ご自身の心の闇を覗いてみたでしょうか。闇を見るところから、明るい明日への道が開けることを、お大師さまはこの『十住心論』で教え導いています。闇に差し込む光が、小さな芽に当たりますと、心の奥に眠っていた慈悲の心が頭をもたげてきます。自分だけの幸せを願う気持ちが、いつしか周囲の人たちの、社会の、そして見知らぬ世界の人たちの幸せを願う心に大きく成長し、よりよい宇宙の姿を想うようになっていくのです。
目次
人は人となり、磨いて仏となる
巻1 異生羝羊心―自分の心が闇にいることを知る
巻2 愚童持斎心―善き心の兆し。御仏のもとに帰る旅の始まり
巻3 嬰童無畏心―祈りの心に目覚める、その初心が天界の道に通じる
巻4 唯蘊無我心―自我の実体は実在しないことを知る
巻5 抜業因種心―一切のものごとは因縁によってなることを体得する
巻6 他縁大乗心―すべての生命に愛の心を起こすことで大いなる慈悲が生じる
巻7 覚心不生心―この世のあらゆるものは幻であることを知る
巻8 一道無為心―生きとし生けるものすべての心と身体は本来清らか
巻9 極無自性心―迷いの波が静まらないから、自分の心を悟ることができない
巻10 秘密荘厳心―宝の庫の扉が開いたとき、思いもよらない我が心の大きさを知る
闇を見るところから明るい明日への道が開ける
著者等紹介
池口恵観[イケグチエカン]
昭和11年鹿児島県生まれ。高野山大学文学部密教学科卒業。高野山真言宗傳燈大阿闍梨大僧正。高野山別格本山清浄心院住職。鹿児島市烏帽子山最福寺開山・藤沢市江の島大師法主。平成元年5月前人未到の「百万枚護摩行」を成満する。平成11年山口大学、医学博士号を授与。同大学をはじめとする全国の大学で客員教授、非常勤講師をつとめる。平成14年「密教学芸賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
- 評価
-