出版社内容情報
能舞台の紅一点、白火を能の名門一座が「女は役者として認めない」宣言!?
帝直々に、御前で舞う天覧能の命を受けた白火。けれど伝統ある能楽一座「永観座」太夫の井澄が「女は役者として認めない」と宣言!! 井澄が認めなければ役者としての未来はない白火は…!? 大人気シリーズ最新刊!!
内容説明
「舞いたいか―ならば、恋を棄てろ。舞いか柚木座か、選べ」戦国の世の狭間。芸人の最高栄誉、天覧能を控えた男装の舞姫、白火と柚木座若太夫の蒼馬。しかし、女人禁制の能舞台で白火が舞うことを、伝統を尊ぶ名門永観座の太夫・井澄は認めない。「能の舞台に女は不要」と言われ、挽回のために舞うも、白火は扇を落とすという大失態を犯す。「金輪際、舞台と名のつくものには上がるな」と告げられて!?大人気、能楽恋絵巻第5幕。
著者等紹介
河合ゆうみ[カワイユウミ]
12月14日生まれ。第8回角川ビーンズ小説大賞読者賞受賞。『花は桜よりも華のごとく』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひめありす@灯れ松明の火
22
井澄様も静凪様もかっこいい!本家観世座もちょっと顔を出し、舞台は秘された華、永観座へ。白火は本当に、天覧能を舞えるのだろうか。なんとなく、氷見様の腹黒い考えがだらだらともれてきている。これを機に女人禁制を解くつもりなのかしら。そして、朧姉ちゃん最強。やっぱり、ご飯を作る人間はどの世界でも最強なのかしら。そして、夜の梅の花。朝焼けと同時に花びらを開くために梅は強い香気と共に艶やかな色を、固い蕾の先からほんの少しだけ、見せている。その色を目敏く摘み取って蕾をほぐしていったら、夜明けにはどんな姿で咲くのだろう。2011/12/18
みとん
8
「自己演出は完璧だ。ついでに政治の才能も完璧なのだが、どうにもこの遊びたがる性分が時々悪さをする」のところがツボったあたり、私は氷見が大変気に入っているようだ(笑)同じくらいカイも好きなんだけど、今回は影もなく・・・。新たな能馬鹿(イケメン太夫)登場。井澄は蒼馬と違い、堅物で生真面目で無口だけど、神レベルで名門一座。将来は蒼馬?(女たらし候補)な音若くんや、井澄の乳兄弟でもうちょっと面白い本性を持っていそうな静凪なども続々。それにしても、朧ほどヒロインに毎回確実な助けをする女友達キャラって珍しいよな。2016/05/11
絳楸蘭
8
人たらしの白火はあと無意識の天然とはいえ、何人たらしこむ気なんだろう…。大人な対応ができる蒼馬さまが素敵だ♪2013/08/12
シュウ
7
伝統を重んじるとそういうことになるのかもしれない。誰もが大切に想っているからこそ、意見が対立してしまうことにもなるんだろうね。2017/11/19
探花
7
避けて通れなかった女人禁制に白火が真正面からぶつかって爽快感があった。伝統を重んじる永観座の閉鎖的なピリピリとした雰囲気が文章から読み取れて緊張した…。氷見様の企みは薄々わかるけど私は帯刀様の再登場を所望しますので帯刀様さっさと仕事終わらせて下さい。寡黙な井澄様がイケメンかつ能馬鹿なので白火に刺激されて色んな表情もっと見たいなー!そして朧が最強すぎて惚れる。2012/01/21