出版社内容情報
戦後労働法学は80年に近い時間を重ねてきた中で、当初から大きく二つの理論的な潮流が対抗していたといわれる。本書は、その潮流のひとつである「プロレーバー労働法学」をけん引し、多くの労働法学徒の支持・共感を集め、学界の主流を占めた沼田稲次郎(1914~1997年)の研究の軌跡を通し、その思索と生涯を追った研究書である。
【目次】
はじめに―「戦後労働法学」とは何か/序章 沼田稲次郎の青春―「戦後労働法学」以前/第一章 唯物史観労働法学の開局と形成―敗戦時から~1950年代初め/補章 翻刻/沼田稲次郎「労働協約理論史の一齣」1939(昭和14)年1月8日筆/第二章 唯物史観労働法学の展開―1950年代初め~1960年代初め/第三章 唯物史観労働法学の成熟と終局―1960年代半ば~1980年代初頭/終章 結び―沼田の逝去と「戦後労働法学の見直し」論