出版社内容情報
労働者の非人間的な状態をもたらしている現代日本の労働社会。深い歴史認識と豊かな比較法的知見、そして精緻な理論で構築された「西谷労働法理論」を全12巻に。600を超える論稿から自選し、書き下ろし、未発表論文も加え、12のテーマにまとめた自選著作集。第1巻は労働法における法理念と法政策について編纂。
内容説明
著作集全体の総論として位置づく西谷労働法の「基礎理論」を提示する第1巻。法政策とのかかわりにおいて憲法の人権条項に体現された法思想や法理念にいかなる位置づけを与えるべきかについて原理的に考察する「第1章 労働法における理念と政策」、「労働における自由」、すなわち労働者の職務遂行上の裁量に検討を加えた「第2章 現代における労働と法」の書き下ろし論文を収録。
目次
第1編 総論(労働法における理念と政策;現代における労働と法)
第2編 労働法と労働法学の展開(日本労働法への外国法の影響―「古いヨーロッパ、新しいアメリカ」か?;「市民法と社会法」論;戦後労働法学の特質―プロレーバー労働法学の意義;労働法と法社会学)
第3編 労働法の理念(労働法における自由と自己決定;市民と労働者)
第4編 労働政策論(労働法政策の憲法的制約;労働契約の法政策;労働時間の法政策;二つの「働き方改革」)
著者等紹介
西谷敏[ニシタニサトシ]
大阪市立大学名誉教授。法学博士。1943年神戸市生まれ。1966年京都大学法学部卒業、71年同大学大学院法学研究科博士課程単位取得満期退学。同年10月大阪市立大学法学部助教授、83年同教授、89年同大学学生部長、92年同大学法学部長、07年同大学定年退職、同年近畿大学法科大学院教授(10年3月退職)。1975年西ドイツ・ギーセン大学在外研究(77年2月まで)、82年西ドイツ・フランクフルト大学在外研究(82年9月まで)、91年ドイツ・フライブルク大学客員教授(同年8月まで)、2004年ドイツ・フライブルク大学名誉博士。1993年豊中市労働紛争調整委員会委員長、97年日本学術会議会員、97年日本労働法学会代表理事、2001年奈良県地方労働委員会公益委員、2005年民主主義科学者協会法律部会理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。