内容説明
「かわいそう」はもう古い!児童養護施設をアップデートするあたらしい「社会的養護」入門。休日はなにしてるの?おこづかいはもらえるの?親とは会うの?子どもたちの生活や進学事情がわかる解説付き。
目次
児童養護施設に入ったわけ
集団生活がスタート
児童養護施設の特徴
思春期と集団生活
私と家族
JKデビューと暮らしの変化
大学受験と自立
児童養護施設から巣立つ
退所後の一人暮らし
「児童養護施設出身」でも夢は叶う!
「スピーカー」という仕事
知ることのハードルを下げたい
いろんな支援がある未来がいい!
著者等紹介
田中れいか[タナカレイカ]
1995年生まれ。親の離婚をきっかけに、7歳から18歳までの11年間世田谷区にある児童養護施設「福音寮」で暮らす。退所後は駒沢女子短期大学保育科へ進学。その後、モデルの道へ。ミスユニバース2018茨城県大会準グランプリ・特別賞受賞。モデル業のかたわら、自らの経験をもとに、親元を離れて暮らす「社会的養護」の子どもたちへの理解の輪を広げる講演活動や情報発信をしている。2020年4月社会的養護専門情報サイト「たすけあい」・社会的養護専門たすけあいch(Youtube)を創設。2020年12月より、児童養護施設や里親家庭から進学する子たちの受験費用をサポートする団体、一般社団法人ゆめさぽ代表理事に。ことな協会代表。NPO法人プラネットカナール広報担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
J D
71
児童養護施設について分かりやすく書かれた本。実際にそこで育った田中れいかさんの経験を元に施設で暮らすことについて語られる。飾ることなく、正直に語られるだけにこちらも考えさせられる。どういう形であれ、社会的養護の必要性とその充実をライフワークとする姿勢に感銘を受けた。ここにある問題は、現代日本が抱える問題の一部でもあるが、少しでも多くの人が幸せを享受できる日本であって欲しいと思った。児童養護施設について大まかに知るのには良い本だと思いました。2023/03/02
tamami
54
戦後の地域の変貌や家庭の変質もあって、子育ては社会で担うべきという考えが世間を覆っているが、子育ての主体となるべき肝心の「社会」について、ほとんど知らずにきたのではないか。本書は、児童養護施設出身の著者が、施設の設備・教育・職員・将来等について、自分の体験を振り返りつつ「社会」の現在について発信している。コラムとして、施設の仕組みや現場の職員の話、在籍する子どもの現状分析も載せられていて、児童養護施設の現状を身近に知ることができる。モデルとして活躍する著者のポジティブな生き方と、明るい笑顔が眩しく思える。2022/04/13
Die-Go
51
図書館本。当事者による児童養護施設での体験から退所後の苦労など。当事者にしかわからない切なる思いと、施設の職能などが分かりやすく述べられていて、施設のことを知りたい人には入門書としてとても良いと思う。★★★★☆2022/02/15
ネギっ子gen
36
【児童養護施設って、どんなとこ?】著者は、児童養護施設で育った。現在は、モデル活動&ユーチューバーとして、親元を離れて暮らす子どもへの理解の輪を広げる活動を行っている。<「これを読んだら、施設についての全体を知ることができた」という入門書がなく、私自身とても苦労したことを思い出しました。そこで、詳細でなくてもざっくりと知りたいという方に、私のライフストーリーを読み物としてたどりながら、「児童養護施設」について知っていただけるようなコンテンツをつくらなければ! と思い立ち、このような本を作りました>と。⇒2022/02/15
あこ
27
3.0L 児童養護施設で育った著者の学童期から現在までの一事例を知る。今年の春高校を卒業した次女の友達が施設に居た。毎日のようにスピーカーで会話していたので私も一緒に話すこともあった。本書でも触れているように、次女の友達も門限やペナルティなど集団生活ならではの規則を守りつつ、卒業後を考えてバイトをしながら貯蓄、専門学校面接、複数の奨学金制度の申し込み、引っ越しや入学準備。やることに追われていた。現在は慣れない一人暮らしをしながら専門学校に通い、たまに電話が来る。この時期に読めて良かった。温かく見守ろう。2022/04/30