内容説明
日本育ちなのに大人になったら収容される子どもたち。
目次
第1章 私が出会った難民(ある公衆電話からのSOS;日本が外国人をいじめている ほか)
第2章 世界と日本の難民事情(日本にいる外国人;難民と移民はどう違う? ほか)
第3章 「入管」に収容される難民(“面会”ってどうやってするの?;透明な壁の向こう側 ほか)
第4章 日本で育った難民の子どもたち(非正規滞在の子どもたちの未来;国連大学前での座りこみで出会った少女 ほか)
著者等紹介
織田朝日[オダアサヒ]
外国人支援団体「編む夢企画」主宰。2004年、日本に暮らすクルド人家族の難民認定を求める国連大学前での座りこみアクションに参加。追いつめられた16歳の少女に「日本で生きていたって明日はない」と言われたことに大きなショックを受け、以来、日本の難民問題にたずさわる。おもに東京入国管理局を中心に面会活動、裁判、当事者アクションをサポートしている。また、クルド人の子どもたちの劇団「ウィンクス」の脚本・演出を担当。子どもたちの体験をもとにした演劇を披露している。一児の母で、写真家として日本にいる難民たちを撮り続けており、個展も開催している。雑誌やウェブメディアなどで難民問題について積極的にレポートを発表している。収容者友人有志一同SYIメンバー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がらくたどん
27
アラン・グラッツの『明日をさがす旅』と併読。当方ではYA棚。選挙年齢が下がった今だから、柔軟な思考ができる層にこそという気持ちはある。でも、できたら大人から読んでみて一緒に考えて欲しいかも。近頃のポーランドとベラルーシの応酬を見るまでもなく極めて政治的な問題だとは思う。それならそれで「今、こういう状況でして」「こんな対応になっています」の報告が欲しい。織田さんは支援側から事例と情緒で訴えた。オーバーステイにまつわる小説も出た。そろそろ政策担当側からの「ホントのところ」が聞きたいものだ。一応主権者なので。2021/11/28
ののまる
21
おとなになったら入管に収容されていまう日本生まれの外国の子ども達。日本しかしらず、親の国には帰れないし、幼稚園から高校や大学まで出ても、在留資格がないから一生働けない。外国人労働者を呼び込むまえに、こっちじゃないの??2019/11/30
犬養三千代
17
入国管理局に収容されている人達やその家族を平易な言葉で描いている。小学生にもわかるような書き方に好感が持てた。面会を通じてその実態が「人権」とは程遠い扱いを受けていることがわかる。お粗末な食事、医療を受けさせない、懲罰房、高い電話カードなど。職員による暴行死の数々。これらは国家の意思なのか?日本生まれの日本育ちの収容者も。😞💨ため息ばかりだ。2020/03/26
パンダ女
15
入国管理局による難民への残酷な行為を知ったのは最近。入管とは難民を難民認定して日本で暮らす許可を与える機関。難民認定されるのは年間1万人中40人程度という厳しさ。認定されるまで何年も入管に拘束され、人間じゃないみたいな扱いを受ける。死に至るケースもある。犯罪者じゃないのに手錠をされる。運良く仮放免(仮の解放)になったとしても県をまたぐ移動も仕事も出来ない。中国もひどいが日本も。悲しい。どうして難民認定が難しいのか知りたい。入管で働く公務員とか何とも思わんのか?彼らなりの言い分があるなら知りたい。2020/08/11
Sumiyuki
15
日本で育ち大人になっても、ビザがないので働けない。そして入管へ。24時間監視カメラの設置された部屋に無期限収容される。同じ子供でも、違いは国籍。。たしかに誰でも入国させるのはいかがなものかとは思う。けれど働き手が減り、いわゆる「コンビニ外国人」が増えているなかで、上記のような現状の入管制度は時代にそぐわない。少なくとも長年生活している人たちはすでに地域に馴染んでいるのだから、永住権を認めたほうがよいのではないか。難民の受け入れも急に増やすことは課題が多いが、少なくとも入管の待遇改善は急務。2020/02/09