内容説明
均等処遇でいまこそ納得できる賃金を!バブル崩壊から20年、日本企業の雇用慣行・賃金制度はどのように変わったのか―。
目次
第1章 日本企業における賃金制度改革の動向(非正規労働者の職務基準雇用慣行と時間単位給;時間単位給の範囲レート職務給への近似化;正規のホワイトカラー労働者の賃金制度改革;正規の生産労働者の賃金制度は?)
第2章 賃金形態の分類を考える(「賃金形態」という言葉;賃金形態と雇用慣行の対応関係;賃金形態の分類表)
第3章 賃金制度改革の背景―一九六〇年代型日本システムの成立と崩壊(一九六〇年代型日本システムとは;一九六〇年代型日本システムの崩壊と労働者への影響)
第4章 新しい社会システムにむけて―同一価値労働同一賃金をめざす賃金制度を(新しい社会システム―「職務基準雇用慣行」と「多様な家族構造」の組み合わせ;同一価値労働同一賃金をめざす職務評価;これからの賃金と社会的規制)
著者等紹介
遠藤公嗣[エンドウコウシ]
1950年岡山県生まれ。1974年東京大学経済学部卒業。1990年経済学博士(東京大学)。現在、明治大学経営学部教授。専門分野は、人的資源管理と雇用関係(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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むっち
4
非正規労働者の均等待遇の議論をきちんとしていくならば、この本を読んで、きちんと議論したほうがいいと思う。 この本でも指摘されているけど、職務職能給を一緒くたに議論することは混乱の元、職務給与を職務単一レート給とごっちゃにして議論がかみ合わないのを解消するため共通認識をつくるため、皆が読んでほしい本。いまの日本の賃金の慣行では同一労働同一賃金は遠い未来の話のように思えてくる。非正規が多数となると案外解消するかもしれないけど、労働運動側が議論しないと、給与条件はどんどん低下してしまう可能性があると思う。2018/01/21
神紙
3
発売日ちょっと前には届いていたのですがようやく読了。これからの賃金というタイトルですが、これまでの賃金体系についてもわかりやすくまとめられた良書だと思います。賃金や雇用形態に関しては論者や企業によって使用される表現が異なりますが、本著での表現が最も妥当かなと。結論についてはタイトル通り、賃金の話がメインでその他周辺的な整備の話は駆け足気味という印象を受けましたが、参考になるところが多い一冊でした。2014/11/11
くちびる生肉
1
著者による日本の賃金形態、賃金体系の分類の根拠をていねいに説明していく。頭がすっきり整理された。レジュメ作成済み。2015/01/01
mokohei
0
p147(以降)の日本の賃金制度が米国の制度に影響を与え接近してるという主張への批判と、p43-44で米国コンサルタントが日本企業の職能給と職務遂行能力の考え方を学んだとの事実を認めていることの整合性がいまいちわからなかった。 コンピテンシー言説との近似性を指摘を踏まえると、p147の言い分は2000年代以降はすでにそのような接近の動きがなくなったものと理解すべきか。2021/05/13
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