内容説明
総事業費9兆円。この史上最大の鉄道事業は、その問題点をほとんど報道されることなく着工目前まで来た。東京・名古屋間の286キロのうち86%の246キロがトンネルになることで発生する水枯れの可能性、処分方法の決まらない膨大な建設残土、掘り当てるかもしれないウラン鉱床、1日に1700台ものダンプカーが12年も走る村、10年以上も続く騒音と振動と土ぼこり、喘息、生活と交通阻害、生態系の劣悪化、立ち退き等々。今からでも遅くはない。JR東海は関係者、特に住民を軽視せず、徹底議論を図るべきだ。
目次
第1章 計画前夜
第2章 空疎な「方法書」説明会
第3章 何が問題なのか
第4章 リニアは必要なのか?
第5章 土壇場での懸念の噴出
第6章 厳しい知事意見書が出ても
著者等紹介
樫田秀樹[カシダヒデキ]
1959年北海道生まれ。岩手大学卒業。コンピュータ関連企業勤務を経てフリーのジャーナリストに。NGOスタッフとしての活動や取材でアジア・アフリカ各地に赴く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
1.3manen
22
南アルプスは’14年6月ユネスコエコパークに登録(7頁)。自然破壊という反対署名運動も各地で(24頁)。でも着工か。大鹿村はIターン者が多い。人口1100人中2百人がIターン者(47頁)。原発1基分の電力消費するリニア(60頁~)。工事で水脈が絶たれ、天川が枯れた(写真117頁)。自然に甚大な悪影響は免れない。JR東海の説明会では時間が きてしまえば全員の質問が遮られてしまう(143頁)という誠意のなさも気になる。南木曽町には非常口2か所あるよう だ(167頁)。 2015/04/02
遅筆堂
13
若干、タイトルがあれですが、綿密に取材をされていて、書面や現場の確認、関係者・当事者へのインタビューなど裏付け確認をしています。全体的にリニア事業について批判的な姿勢ですが、ただ一方的な反対・批判だけではなく問題提起を交えた論法は、ジャーナリストとして信頼がおけます。全篇を通してリニア事業についての問題提起ですが、確かに多くの問題を抱えていて、まだまだ多くの議論が必要と思われます。大井川の水量減少だけではありません。全体的に情報が少なすぎます。また、マスコミも報道しません。2014/10/04
うらじ
6
山梨ではトンネル工事によって河川が枯れた。残土処理も山積み。岐阜のウラン鉱床地帯を通すかも。最高速度500kmの速さだが実際の途中停車を考慮すれば東京-大阪間はたったの20分しか早くならない。新幹線の3倍の消費電力(原発一基分)で原発利権と結びつく。強力な電磁波を発生し健康被害も危惧されるがJRはどれだけの電磁波を出すか公表しない。もしもの時の避難想定も杜撰。問題だらけなリニアだが何よりも問題なのは全く民主的プロセスがなく住民軽視で事が進んでいることだろう。2014/12/06
Humbaba
2
リニアが実現すれば移動時間は軽減できる。それ自体は歓迎すべきことであるのは間違いない。ただし、その費用対効果がどのくらいのものなのかというのは重要な要素である。いくら時間を削減できたとしても、周囲の人を不幸にしながらではそれは本当にとるべき道なのかは再考すべきものとなる。計画段階では問題がなくても実施すれば問題が生じるというのは多く起こっていることであり、それに対して真摯な対応をしなければうまくいかないだろう。2025/11/26
Akio Kudo
2
★★★★ リニアにこれだけの問題が付随することに驚きを隠せない。トンネルを掘ることによる環境破壊、住民の反対。説明会でもこれだけ紛糾していても、報道されないことに歪さを感じる2018/01/09




