一橋大学大学院社会学研究科先端課題研究叢書
ジェンダーと社会―男性史・軍隊・セクシュアリティ

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  • サイズ A5判/ページ数 392p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784845111756
  • NDC分類 367
  • Cコード C3036

内容説明

本書は、一橋大学大学院社会学研究科において、二〇〇六年四月から三年間にわたって続けられた先端課題研究7「日常実践/方法としてのジェンダー」の成果である。ジェンダー関連の書籍は、現在、入門書から専門書まで大量に生み出されているが、著者たちが心がけてきたのは、女性学や男性学、ジェンダー研究のテリトリーに閉じるのではなく、社会科学のなかにジェンダー視点を導入し、定着させ、その融合的な研究視座から、日常空間で作動するジェンダーに関わる諸問題(労働、家族、身体/生命、アイデンティティ、権力、政治秩序、市民社会、公共性、国際関係など)を可視化し、いかに対象化し研究として立ち上げることができるのか、それを徹底して追究することであった。

目次

第1部 男性史(「男性史」と歴史学;“フェミニスト男性史”は可能か―男性性権力の理論と歴史、そして運動;“男性の歴史”から“ジェンダー化された歴史学”へ―アメリカ史研究における男性性の位置;二〇世紀転換期イギリスの事務職員と“男らしさ”)
第2部 軍隊(軍事化と戦争の根源的要因としてのジェンダー;ジェンダー化される「ポストモダンの軍隊」―「新しさ」をめぐり動員される女性性/男性性;日本陸軍における男性性の構築―男性の「恐怖心」をめぐる解釈を軸に)
第3部 セクシュアリティ(セクシュアリティの変容?―エイリアン的他者から善良なゲイ市民へ;ゲイ権利運動とアメリカ政治―クロゼット、カミングアウト、アウティング;分断される「女/性」―愛国婦人会娼妓入会をめぐって;二〇世紀転換期アメリカにおける「白人奴隷制」)
第4部 政策・思想・教育(韓国における朴正熙政権の開発主義と家族計画事業―一九六〇‐一九七〇年代を中心に;アメリカ建国期における女子教育の思想―「共和国の母」論再考;ヘーゲルのジェンダー論をどう読むか―ヘーゲルの男女観に関する一考察;スポーツにおけるジェンダー関係の変化―アイルランド・ゲーリックゲームス)

著者等紹介

木本喜美子[キモトキミコ]
一橋大学大学院社会学研究科教授、家族と労働の社会学、労働組織のジェンダー分析

貴堂嘉之[キドウヨシユキ]
一橋大学大学院社会学研究科教授、歴史学・アメリカ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ヂェフ

1
第2部の軍隊のパートのみ。この手の本は読まないのでチンプンカンプンだったが、「ポストモダンの軍隊」という分析枠組みが興味深かった。2024/03/05

Mealla0v0

0
第5章 シンシア・コウバーン「軍事化と戦争の根源的要因としてのジェンダー」、これがおもしろかった。やはり、軍隊を男性性を生産する装置と見做している。軍隊を、「最もジェンダー化された組織」だと言う。それでは、軍隊はまさにフーコーの言う〈監獄〉として機能している。そこで、そうやって言説が生み出され、それによって規定されていく。2016/07/29

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