内容説明
正解へのルートが一瞬で浮かぶ!短時間で深く考えるための“深速思考”のトレーニング。トヨタ式A3報告書研修から生まれたノウハウ。
目次
序章 ヒトの脳には「思考のクセ」がある
第1章 結局、「深く考える」ってどういうこと?
第2章 「思速思考」の基本と精度の高め方
第3章 「因果関係マップ」のつくり方
第4章 ネタを仕入れる―ビジネスモデルの「本質」の抽出
第5章 遠くからアイデアを借りる―「本質」を別の場に応用
終章 深速思考を日常化する
著者等紹介
稲垣公夫[イナガキキミオ]
グローバリング株式会社代表取締役。1951年生まれ。東京大学工学部卒業、ミシガン大学工学部大学院修士課程修了。NECにて製造管理部担当部長、NECアメリカ副社長などを歴任。ジェイビルジャパン代表取締役社長などを経て現職。2010年にグローバリング(株)を設立し、主に製造業を対象に、リーン製品開発や経営戦略のコンサルティングを行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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morinokazedayori
57
★★★深く速い思考をするには、本質を見抜くために物事を抽象化して考える「抽象化思考」と、全く関係のない分野での手法を利用する「アナロジー思考」を鍛える必要があり、そのためには、物事の原因と結果を図で表した「因果関係マップ」を作成するとよいそうだ。日常生活でもビジネスでも、疑問に思ったことや興味を持ったことでトレーニングしていけば、どんどん思考力が鍛えられるという。AKB、Amazon、大戸屋などの成功の理由が具体例としてあげられており、親しみやすく分かりやすい。2016/10/07
Kentaro
37
約20年前に参入し、現在では110店舗以上を展開するスーパーホテル。客室稼働率は約90%、顧客のリピート率は約70%と、他の格安ビジネスホテルに比べて大成功している。その背景には、ホテル業界の常識を次々と覆すメリハリの利いた経営戦略がある。スーパーホテルを貫くキーワードは満足度の高い合理性。業界の常識を一つひとつ問いただし、顧客に届ける価値のコンセプトを明快にし、それ以外のものは思い切って捨てる。メインコンセプトは「快眠」で、ぐっすり眠れることが顧客にとっての最大の価値と考える。外壁は防音構造にしている。2020/04/29
masabi
19
深速思考とは、物事の深い構造に気付き、他の分野からアナロジーによってアイデアを借りることで新たな知識を生み出す思考法だ。思考ツールとして抽象化、因果関係、アナロジーが柱になる。雑多な情報から本質を見出だし、構造と因果関係に整理し、同じ構造を持つ他業種の仕組みからアイデアを得ることが第一義だ。因果関係マップによって他のメンバーと容易にイメージを共有できることが二義。マップの作成過程が詳細にあるので試してみようという気になる。2016/08/08
galoisbaobab
10
「本質」ってなんだろうね。特にビジネスにおける「本質」ってモヤモヤしすぎる。これって数式や論理記号を使ってビジネスを表現すれば良いってことじゃないの?それを自然言語を使わないと伝わりにくいってことなのかね?まぁ現場でソレをやると「・・・」ってなっちゃうからご用心。ロジカル・シンキングと直観の融合ってアイデアらしいけど伝わってこないなー。2018/05/31
まゆまゆ
9
理解する、とは新しい事を自分が既に知っていることと結びつけること。多くを結びつけられれば「深く」理解できる。しかし脳には新たな情報は既知の情報と結びつけて理解しようとするクセがあり、このため理解は浅くなってしまう。これを回避するのが筆者のいう深速思考であり、本質を見抜く抽象化と見える化するための因果関係マップ、遠くからアイデアを借りてくるアナロジーである、と。成功している企業の事例をもとにした思考方法の紹介はわかりやすかった。2016/09/14