内容説明
ヒマラヤの山奥深くに棲まう幻の獣、雪豹。野生のままの彼らの姿を見届けるため、写真家はインド北部のチベット文化圏、スピティに旅立つ。標高4200メートルの極寒の高地。自然の摂理の中で、儚い生を生きる雪豹と動物たち。大いなる存在への畏れと祈りとともに暮らす人々。ひと冬の間、彼らを見つめ続けた日々の中で、写真家が巡り会ったのは…。『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)で第6回「斎藤茂太賞」を受賞した気鋭の著者による、待望の書き下ろし長編紀行。
目次
夏の終わり
雪のない冬
母と子
村での日々
双子の兄妹
雪の到来
狩る者、狩られる者
矢と酒の祭
巡り巡る命
彼らの歌
著者等紹介
山本高樹[ヤマモトタカキ]
著述家・編集者・写真家。2007年から約1年半の間、インド北部のラダックを中心としたチベット文化圏に長期滞在して取材を敢行。以来、この地域での取材をライフワークとしながら、世界各地を飛び回る日々を送っている。『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)で第6回「斎藤茂太賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Toshi
20
インド辺境ラダック地方に長期滞在し、これまでも幾つかの紀行文を描いてきた著者が、知人に誘われスピティと言う地域にユキヒョウを撮影しにいった記録である。幻の動物と言われるユキヒョウはいとも簡単に現れ、緊張感や感動のドラマはあまり無いのだが、村の人々の日々の営みと著者の関わり合いが淡々と描かれ、それがとても爽やかな読後感を与えてくれる。写真にキャプションはあえてつけられていないが、文章を読みながら見ているとどの場面かは容易に想像がつくし、写真との相互作用でストーリーに立体感がある。ユキヒョウ、見てみたいな。2025/07/06
スプリント
8
写真が豊富で嬉しい。 雪豹と狼のテリトリ争い。2025/05/24
dani
3
痛い痛い痛い、で始まるとは思わなかった。表紙の2頭は親子ではなく双子。スピティはインド北部、標高4000メートルの高地。そういうところでしか生きられないのが雪豹。そういうところでも生きられるのが人間。2025/06/16
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