出版社内容情報
やさしい日本語は、相手の行動を変え、相手の命を守る言語ツールです。
本書では、1995年の阪神・淡路大震災の経験から生まれた「やさしい日本語」について学びます。
この地震では、留学生や働く人など、たくさんの外国人が被害を受けました。日本語も英語もわからない方は、どこに逃げればいいか、どこで食べ物がもらえるか、知ることができませんでした。その結果、日本人の1.8倍も被害が大きくなりました。
そこで考えられたのが、「やさしい日本語」です。
震災から30年経った今、「やさしい日本語」がどのように使われているのか、「災害」「医療」「わたしたちの町」の3つの場面で紹介します。
「災害」の章では、避難所や防災情報で使われる難しい表現を取り上げ、誰にでも伝わる表現へ言いかえる工夫を一緒に考えます。東京都大田区の防災担当者の取材を通して、多様な人々とともに防災を考えます。
「医療」の章では、治療方針や手術の同意など、命に関わる意思決定をおこなうときの問題点を取り上げます。よく起こりやすいミスコミュニケーションや、自動翻訳の失敗例などを取り上げ、言葉の機能について一緒に考えます。千葉県の成田赤十字病院国際診療支援室の取材を通して、大切な命と身体、そして心を守る医療を考えます。
「わたしたちの町」の章では、日々の生活の中で目にする看板やお知らせなどが、きちんと伝わる言葉と表現なっているのか、一緒に考えます。誰もが情報発信者になれる現代、少しの工夫で、多様な人に伝わる表現を磨きます。
「やさしい日本語」は万能薬ではありません。
相手と向き合い、その場に最適な表現を選ぶことが重要です。
本書は、防災教育や人権教育、多文化共生教育、国語や総合的な学習の教材として活用できるだけでなく、自治体職員や地域ボランティア、学校関係者にとっても実践的なヒントに満ちた一冊です。「やさしい日本語」が命を守る言葉であることを、多くの読者に伝える内容となっています。
【目次】



