血の報復 - 「在満」中国人作家短篇集

個数:

血の報復 - 「在満」中国人作家短篇集

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2024年04月25日 20時39分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ B6判/ページ数 378p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784843350317
  • NDC分類 923.7
  • Cコード C3093

出版社内容情報

「満洲国」時代に書かれた、中国人作家たちの内なる抵抗と表現の結晶―珠玉の作品群。序文より──
 異民族の支配下で、憤怒と苦悩を呑みこみながら生活を送っていた中国人作家には自由な言説が許されていたわけではない。「言うべきこと」が「言い得ない」、「言い得ないことを無理に言わせる」??これが「在満」作家を取り囲む厳しい言語環境であった。したがって中国人作家は、「言い得る」範囲のなかで、ぎりぎりの表現を駆使して、「言うべきこと」を筆に託さざるを得なかった。それゆえ文章は複雑であり、表現は曖昧であった。
 「満洲国」は14年に満たない短い期間で幕を下ろした。「五四文学」の流れを引き継ぐ新文学の作家たちは、「建国」後に創作を始めた人ばかりである。そして年齢も若い。ここに取りあげた作家についてみても、1945年「満洲国」崩壊の時点で、もっとも若い袁犀、関沫南が26歳前後、もっとも年長である王秋蛍、疑遅、田兵ですら32歳前後であった。これら作品はすべて20歳代の若者が、身の危険も顧みずに、屈辱に耐える鬱屈した胸のうちを筆に託した、青春時代の栄光ある記念品とも言えるものであった。
 「満洲国」崩壊後、中国東北地方は国共内戦に勝利した共産党によって統一され、1949年の中華人民共和国の成立を迎えることになる。共産党の政策から異端とみなされた人びとは「整風運動」という名の批判運動に、繰り返し晒されることになる。かつて「満洲国」で筆を執ったことそれ自体が批判の対象とされ、かれらの青春時代の「記念品」が罪証の一つとして持ちだされたのである。理不尽な汚名が取り除かれ、「満洲国」時代の文学に対する再検討が始まるのは、1980年代に入ってからのことであった。
 かれらの青春時代の「記念品」を日本語に移し変えながら、「満洲国」を生きた中国人作家の苛酷な人生に思いを致し、わたしの筆もしばし滞ることもあった。日本においても、また中国においても、これら「在満」作家の生きた証として、その作品を埋もれさせたままであってはならないと思う。この「翻訳作品集」が、その役割の一端を担えればと願っている。
【収録作品】
・「血の報復」王 秋蛍/・「本のはなし」舒 柯(王 秋蛍) 
・「ユスラウメの花」疑遅 /・「山海外経」古丁
・「臭い排気ガスのなかで」山丁
・「荒野を開拓した人たち」山丁
・掌篇小説三篇─「風」「柴を刈る女」「忽瑪河の夜」─ 但 ?
・「放牧地にて」磊磊生
・「十日間」袁 犀/「ある街の一夜」関 沫南
・「河面の秋」田 兵 /「香妃」爵青
【附 録】「在満」中国人作家の日訳作品目録



岡田英樹[オカダヒデキ]

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

山猫

22
タイトルが示す通り、満州国が存在していた頃の短編集。「香妃」のみ読了。注釈が2種類あり、読みにくい。本作は1943年発表なので、固有名詞はともかく、2016年の新訳なのだから、「イマーム」等は「ラマダン」同様カタカナ表記なら、もっと読みやすかったろう。伝説的な人物を主人公としたフィクションではあるのだが、「災いを招くほどの美貌」故に西域から清の都へ連れて来られたイスラムの姫の心情を細やかに描いている。清国や中国の人間ならずとも、西域へのロマンチックな憧れを豊かにかき立てられる作品である。2020/08/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11122503
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。